源流を辿れば戦前から続くという老舗企業であるUDトラックス。「日産ディーゼル」と聞けばピンとくる人もいるかもしれないが、そのUDトラックスを、親会社であるいすゞが吸収合併するという。老舗の社名がまたひとつ消えていく……。
※本稿は2026年6月のものです
文:角田伸幸/写真:UDトラックス ほか
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
企業としての幕は下ろすがブランド名としては存続
2026年5月13日、いすゞ自動車は子会社であるUDトラックスの吸収合併を検討すると発表した。ブランドは残る見通しだが、かつて日産ディーゼルとしても知られた老舗企業の独立した歩みは、いよいよ幕を下ろすことになりそうだ。
その歴史はなかなか波乱万丈である。1935年に日本デイゼル工業として創業し、1953年に日産自動車が資本参加。1960年に日産ディーゼル工業へ社名を変え、長く大型トラックの名門として親しまれた。
だが1990年代末から国際再編の荒波にのまれる。ダイムラーとの交渉は破談となり、ルノー・日産のもとで再建へ。しかし2007年、日産は日産ディーゼルの持ち株をボルボへ売却し、両社の50年超の資本関係が解消された。
日産ディーゼルは2010年、UDトラックスへ社名変更。そして2021年、いすゞがボルボからUDを買収して現在に至る。
日野と三菱ふそうの統合も進み、国内トラック業界は大きく再編中だ。UDのバッジが走り続けるとしても、その裏側の景色は大きく変わる。トラック好きには、少し寂しくも熱い転換点である。
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