腕を助手席に回してバックする姿にキュンと来た!う~んマンダム! Z世代に語り継ぎたい昭和の運転とは

昔は重ステのため内掛けハンドルが多かったが……

いまは打掛けハンドルはやってはいけないハンドル操作の代表格
いまは打掛けハンドルはやってはいけないハンドル操作の代表格

 これもあまり見なくなった内掛けハンドル。ハンドルを内側から持って回すハンドル操作方法で年配のタクシー運転手が細い路地を曲がる際に「カチカチ……」と言わせながら内掛けハンドルで曲がっていたのを見た記憶がある。

 内掛けハンドルをするのはベテランドライバーが多いと言われる。これは、昔のクルマにはパワーステアリング機構がついていなかった(“重ステ”と呼ばれた)ため、引っぱることで力を入れやすい内掛けハンドルを使う人が多かったのだ。

 しかし、この内掛けハンドルは……

・素早いハンドルの切り返しができない
・エアバッグ作動時に腕を骨折する可能性がある
・どれだけハンドルを回したかがわかりにくい

 上記のようなデメリットも多く、「嫌われる」というより現代では「やってはいけないハンドル操作法」ともいわれている。この内掛けハンドルを無意識にやってしまう人は、自身の運転姿勢に問題があるのかもしれない。

 日本の教習所では、「クロスハンドル」で教えてくれることが多いそうだが、普段の運転シーンでは、送りハンドルがベターではないだろうか。

 ただし、ジムカーナでは、送りハンドルでは間に合わず、クロスハンドルを使うことになるが、普段は送りハンドルを行い、やむをえない場合にはクロスハンドルも使う、というのが適切だろう。

自然にやるとカッコよかったダブルクラッチ

いまや3ペダルのMT車が少なくなってしまったが、ダブルクラッチは今でも有効
いまや3ペダルのMT車が少なくなってしまったが、ダブルクラッチは今でも有効

 シフトチェンジ時のショックを減らす操作として、ダブルクラッチとブリッピングがある。ダブルクラッチは、トランスミッション内部の入力軸と出力軸」の回転を合わせるのが最大の目的で、内部のギア同士がスムーズに噛み合うように助ける操作。マニュアル車でギアを変える際、一度クラッチを切ってギアをニュートラルにし、エンジン回転数を合わせてからもう一度クラッチをつなぐ。

 一方、ブリッピング(後述する)は、エンジン本体とタイヤ側の回転差をなくすために行うこと。これをしないと、クラッチを繋いだ瞬間にクルマが前のめりになるような強いショックが出てしまう。

 ダブルクラッチは、50代以上のおじさんが若い頃のクルマにはごく普通に使われていたテクニックだ。かつてのMTは、ギアを変えるときにギア同士の回転速度を同調させる「シンクロメッシュ機構」がなかったり、その性能が不十分だったりしたため、回転数を自分で合わせてあげないと、ギアがスムーズにつながらなかったのだ。

 現代のMT車にはギアの回転数を自動で合わせる「シンクロメッシュ機構」が備わっているため、普通にシフトチェンジしてもギアが痛むことはない。しかし、スポーツ走行時や急なシフトダウンの際、シンクロメッシュには大きな摩擦負荷がかかる。

 では現代のクルマには絶対必要ないかといえばそうでもない。現代のスポーツカーや乗用車であっても、サーキット走行や峠道、日常の減速時にダブルクラッチを使用することは、愛車のコンディションを最高の状態に保つために非常に有効な手段といえる。

ブリッピングをやってるとおじさん確定!?

最近ではドライバーがシフトダウンしただけで適切なエンジン回転数を算出し、自動制御でブリッピングするMT車もある。フェアレディZのシンクロレブコントロールやカローラスポーツのi-MT、シビックタイプRのレブマッチシステムがそれだ
最近ではドライバーがシフトダウンしただけで適切なエンジン回転数を算出し、自動制御でブリッピングするMT車もある。フェアレディZのシンクロレブコントロールやカローラスポーツのi-MT、シビックタイプRのレブマッチシステムがそれだ

 街中を歩いていて、走っているクルマが停止する直前で「ブォンブォン」と空ぶかしのような音が聞こえることがある。おじさん世代のMT乗りはほぼやっていたと思うこのブリッピング。低いギアへシフトダウンするとき、クラッチを切った状態でアクセルペダルを瞬間的に踏み込んでエンジン回転数を高め、低速ギアとスムーズにつなげるドラテクだ。

 MT車でシフトダウンする時にガクッというショックが出ないばかりか、ヒールアンドトゥと合わせて強いエンジンブレーキを効かせ、次のシフトアップのために使われているのだ。

 最近ではドライバーがシフトダウンしただけで適切なエンジン回転数を算出し、自動制御でブリッピングするMT車もある。フェアレディZのシンクロレブコントロールやGRカローラの6速iMT、シビックタイプRのレブマッチシステムがそれだ。

 例えばGRカローラの6速iMTは、シフト前方にあるiMTスイッチを押すと、6速iMTがスタンバイ状態に。この状態で変速動作(クラッチ操作、シフト操作)を検出すると、変速後のエンジン回転数を合わせるように制御し、スムーズな変速をアシストする。アクセルをあおらずにシフトダウンしても、自動でエンジンの回転が上がるので、ショックを感じることはほとんどない。

 ちなみにオートブリッピングは普段の街乗りだけでなく、ワインディングでも有効。高いアベレージで飛ばした時でも「フォン、フォン」と軽快なエンジンサウンドとともに回転を合わせてくれる。

 ヒールアンドトゥでブリッピングを行うには初心者には練習が必要だが、この自動ブリッピングがあれば華麗なテクニックを勝手に行ってくれるのだからいい時代になったものだ。 

ヒールアンドトゥはMT車をスポーツ走行するうえでの基本テクニックだ
ヒールアンドトゥはMT車をスポーツ走行するうえでの基本テクニックだ

 ちなみにクルマ好きのおじさん世代が知っているヒールアンドトゥは、スポーツ走行で素早いコーナリングを行うための運転テクニック。右足のつま先(トゥ)でブレーキを踏みながら、右足のかかと(ヒール)でアクセルを吹かし(ブリッピング)、シフトしたギヤに適切なエンジン回転数を合わせることで、コーナーの立ち上がり時に鋭い加速を得るドライビングテクニックだ。

 もっと細かくいうと、右足のつま先(トゥ)でブレーキを踏んで、シフトダウンの瞬間につま先の踏力を維持したまま。右足のかかと(ヒール)でアクセルを「ちょん」とあおり、エンジンの回転数を上げて低いギヤにつなぐことでスムーズな挙動につながるのだ。 

 もちろん、街中ではする必要もないが、ワインディングやサーキットでのスポーツ走行には必須なので、まだできていない人は練習して習得したい。

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