新規制でマフラー交換ができなくなる!? マフラーの老舗メーカーFUJITSUBOの本気に迫る

交換用マフラーのパイオニアが危惧する内容とは!?

 すっかり安心してしまったようにも思える騒音規制だが、実は危惧すべき内容があるという。

 そう話してくれたのはマフラーのパイオニア、FUJITSUBOブランドでおなじみの藤壺技研工業の研究開発課の長谷川良太さんだ。


BC WEB:危惧すべきことがあるということでしたが?

長谷川氏:そうなんです。それが、国土交通省の文書のなかにある表現です。「純正マフラーを現行のマフラー性能等確認制度等により性能等が確認されたマフラーに交換したものにあっては、当面、絶対値規制を継続することとします」とあるんです。

BC WEB:つまりは”当面の間”は現在の交換用スポーツマフラーは規制の対象外ということですね?

長谷川氏:そうです。”当面の間”がいつなのかはわかりませんが、その時期が終われば新車時の音量を超えることが許されないなど、アフターパーツとしてのマフラー開発は難しくなる可能性はあります。

BC WEB:サウンドのボリュームでは勝負できない!?

長谷川氏:そうですね、音質とか、性能向上で勝負することになります。もちろんこれまでも音量だけに頼らず、さまざまな面でクオリティを追求してきたのですが、正直なところ、規制の着地点がまだ見えない不安がありますね。


 平成28年10月1日以降に生産されたクルマに関しては、車種ごとに異なる「相対規制値」が基準になる。

 つまり純正マフラーの状態で経年劣化などを考慮しても、車種ごとに設定された新車時の許容音量の範囲を超えることはできないのだ。

 しかし現状で交換用マフラーについては従来の「絶対規制値(フロントエンジン車なら96db)」が採用されるから、これまで同様に認証済みマフラーであればなんら問題なし。

 これはあくまで現段階での話で、今後は世界の動きとしては一層の騒音規制強化で開発が厳しくなるとみられている。とはいえ、これまでも難関をクリアしてきたFUJITSUBOだけに心配は不要だろう。

 また業界団体であるJASMA(日本自動車スポーツマフラー協会)も、これまでどおり「性能等確認済み表示」があるマフラーなら交換に問題がないと発表しており、

 法規制に対応したマフラーでカスタムを楽しむことは当面の間は心配なさそうだ。

 FUJITSUBOの公式ページはこちらから。

マフラー開発にも取り組む長谷川氏。新規制の厳しさを語りつつも、<br>スポーツマフラーの魅力を語る表情は笑顔だ
マフラー開発にも取り組む長谷川氏。新規制の厳しさを語りつつも、
スポーツマフラーの魅力を語る表情は笑顔だ
近接排気騒音検査の様子。車検場で行われるものと同じ試験だ
近接排気騒音検査の様子。車検場で行われるものと同じ試験だ
加速走行騒音試験の様子。50km/hで走行し赤いバーに設置されたマイクで音量を計測する。藤壺技研工業裾野工場内のテストコースは、ISO規格に適合している試験場なので、規制対応のマフラーの認証がとれるのだ 
加速走行騒音試験の様子。50km/hで走行し赤いバーに設置されたマイクで音量を計測する。藤壺技研工業裾野工場内のテストコースは、ISO規格に適合している試験場なので、規制対応のマフラーの認証がとれるのだ 

ちゃっかりマフラー交換インプレッション!?

 せっかくFUJITSUBOまで取材に来たのだから、と担当Sは愛車である”旧型”になりつつあるシビックタイプR(FK2)のマフラーをインプレッションさせてもらうことに。

 さっきからチラチラとFK2が登場しているのはそれが理由だ。日本に正規輸入分で750台しか存在しないクルマのマフラーを作ってくれるなんてありがたいかぎり。

 モデルは「AUTHORIZE RM+c」で価格は32万4000円。ちなみに現在は車検対応マフラーを渇望していた全国のFK2オーナからの発注でで生産が追いつかず、納期が発生している状態とのこと。

 今回は撮影用のサンプル品で撮影をさせてもらった。

 そもそもホンダは新型タイプR用に排気系もこだわり抜いているのだが、純正レイアウトと比較するとFUJITSUBOのマフラーはかなり曲率が抑えられている。

 しかもチタンを採用することでその軽さは純正の9.4kgから5.1kgまで50%ちかくも軽量化。気になるサウンドは近接排気騒音で純正90dbが91dbに。もちろん車検対応マフラー。

 肝心の音質は非常に”ダンディ”。国産最強2LともいえるVTECターボがこんなにいい音出すとは!!

 ホンダはタイプRに関しては最初からFUJITSUBOにマフラー依頼したほうがいいのではないか、と真剣に議論したくなる。

 テールのカーボンカバーもオトナ仕様だし、遮熱効果でバンパーが変色することも防げそう。せっかくのタイプRだからこれくらいの色気がないと!!

 7000rpmまで回るK20Cエンジンだが、このマフラーのおいしいところは3500〜4500rpmあたりの中間域の加速音。

 FK2オーナーにとって目の上のたんこぶであった、ニュルFF最速のライバルであるルノーメガーヌRS トロフィーについていたのが、二輪マフラーメーカーとしても有名な「アクラポビッチ」のチタンマフラー。

 実にイイ音色でジャーナリストの評価も高かったが断言しよう。「FK2+FUJITSUBO」のほうが音質で勝っていると。

 加速感もどことなく軽くエンジンが回るような実感を覚える。エンジンオイルを交換したばかりのような回転の軽さだ。メーカー測定値では約12psのパワーアップだが、個人的な感触としてはもっとパワーアップした気がした。

 どんどん規制が厳しくなるスポーツマフラーではあるが、まだまだ楽しむ余地はある。今後も合法のマフラーでサウンドを楽しもう!!

純正マフラーも効率がよさそうに見えるのだが……
純正マフラーも効率がよさそうに見えるのだが……
交換後のFUJITSUBOマフラーはテールパイプ付近の効率もよさそう。左右の分岐点を繋ぐように溶接された”FUJITSUBOプレート”は最近の同社のトレンドだ
交換後のFUJITSUBOマフラーはテールパイプ付近の効率もよさそう。左右の分岐点を繋ぐように溶接された”FUJITSUBOプレート”は最近の同社のトレンドだ
バンパーからちらっと見えるカーボンテール。色気ムンムン
バンパーからちらっと見えるカーボンテール。色気ムンムン

【FK2シビックタイプR  迫力たっぷりなFUJITSUBOサウンドをご堪能ください】

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