販売台数ランキングでN-BOXの独走が続くなど、軽自動車が盛況だが、実は今、車格が上のコンパクトカーが熱いことをご存知だろうか!? 今回は新型が登場したスイフト、一部改良が加わったヤリス、ノートを紹介しつつ、変化したコンパクトカー勢力図をひも解いていきたい。
※本稿は2024年4月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/平野 学
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■新型でさらに魅力を増したスズキ スイフト
最近フルモデルチェンジや改良を受けたコンパクトカーの中で、最も注目される車種が2023年12月に一新されたスイフトだ。
5ナンバーサイズを守りながら外観の存在感を強め、インパネなどの内装も上質になった。車内の広さは先代型と同程度だが、前席は座り心地が向上して、長距離を移動する時の快適性も高まった。
エンジンは新開発の直列3気筒1.2Lを搭載する。先代型の4気筒に比べてノイズは少し気になるが、マイルドハイブリッドのWLTCモード燃費は、2WDのAT(CVT)が24.5km/L、5速MTは25.4km/Lに達する。先代型のマイルドハイブリッドから新型に乗り換えると、燃料代を約14%節約できる。
さらに5速MTの燃費は、本格的なハイブリッドのe-POWERを搭載するノートXの28.4km/Lに迫り、マイルドハイブリッドでは優秀。このほかオプションのメモリーナビに、脇見や居眠り運転を検知するドライバーモニタリングシステムを加えるなど安全性も優れている。
●スズキ スイフト(HYBRID MZ〈4WD〉)主要諸元
・全長:3860mm
・全幅:1695mm
・全高:1500mm
・ホイールベース:2450mm
・車両重量:950kg
・パワーユニット:1.2L直3+モーター
・エンジン最高出力:82ps/5700rpm
・エンジン最大トルク:11.0kgm/4500rpm
・モーター出力:3.1ps/6.1kgm
・トランスミッション:CVT
・WLTCモード燃費:24.5km/L
・価格:233万2000円
■小さく軽い燃費の王様トヨタ ヤリス
ヤリスはコンパクトカーの人気車種で2024年1月に改良された。フロントグリルを躍動感の伴うデザインに変更して、売れ筋グレードには、7インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを標準装着する。
最上級のZには、シート表皮に合成皮革とツイード調ファブリックを使用する。パッソが廃止された今、ヤリスはトヨタで最小サイズのコンパクトカーだ。
ボディが軽く、直列3気筒1.5LのハイブリッドXは、WLTCモード燃費が36km/Lに達する。国内で購入できる4輪車では最良の数値だ。車両重量はハイブリッドでも1トン少々だから運転感覚も軽快だ。
●トヨタ ヤリス(HYBRID Z〈2WD〉)主要諸元
・全長:3950mm
・全幅:1695mm
・全高:1495mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1090kg
・パワーユニット:1.5L直3+モーター
・エンジン最高出力:91ps/5500rpm
・エンジン最大トルク:12.2kgm/3800-4800rpm
・モーター出力:80ps/14.4kgm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・WLTCモード燃費:35.4km/L
・価格:249万6000円
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