はた目には「無謀」とも思えるほどの大胆なテコ入れを敢行し、それをことごとく成功させているトヨタ。「王者なんだから何だってうまくいくでしょ」との声もあるが、本当にそうなのか? 専門家にトヨタの戦略を分析していただいた。
※本稿は2026年8月のものです
文:大谷達也/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年9月26日号
クラウンの大胆な改革【評価:80点】
これは掛け値なしに鮮やかな戦略だった。
なにしろ「死に体」といっても過言ではなかったクラウンをフレッシュなデザインで若返らせ、一時2万台弱まで落ち込んでいた年間販売台数を、2025年は6万台近くまで跳ね上げることに成功したのだから。
基本セダン一車種だったものを4タイプにラインナップを拡大した判断も見事。これが、もしもクラウンスポーツだけだったらここまでの話題にはならなかったはず。
ただし、ひとつの車名に4タイプを投入する力技は“勝ち組”のトヨタだからこそできた手法。歴史あるモデル名に「いい意味でこだわる」のもトヨタらしい戦略だった。
プリウス&カローラの過激なイメチェン【評価:90点】
これもデザインでモデルの命運が左右されることを熟知したトヨタならではの戦法。
ただし、最近のトヨタが本当に凄いのは、お手軽な“化粧直し”ではなく、プロポーションを大胆に変革させて「誰の目から見てもインパクトがあるデザイン」に仕上げている点にある。現行型プリウスがその象徴だが、これを実現するには、プラットフォームにまで手を加える必要があったはず。
同じ手法は次期型カローラにも適用されるが、今度はエンジン高を下げてまでデザインを攻めてきた。“勝ち組”トヨタにしかできない戦略だ。
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