マツダ3には5ドアのファストバックと4ドアセダンがある。単にリアまわりの形が違うだけと思いがちだが、実はエンジンや駆動方式、トランスミッションの構成まで大きく異なる。特に6速MTを選べるのはファストバックだけ。その理由を両車の性格から考えたい。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】どっちが好み!? セダンとファストバックでマツダ3の荷室を比べてみた!(9枚)画像ギャラリーMT、4WD、e-SKYACTIV Xはファストバックだけ
現行マツダ3ファストバックには、1.5LのSKYACTIV-G 1.5、2.5Lマイルドハイブリッドのe-SKYACTIV G 2.5、独自の燃焼技術を採用したe-SKYACTIV X 2.0という3種類のエンジンが用意される。
このうち6速MTを選べるのは、e-SKYACTIV G 2.5を積む前輪駆動の25Sと25L、e-SKYACTIV X 2.0を搭載する4WDのX Touringだ。25Sの6速MT車は305万8000円、25Lは326万7000円、X Touringは407万円となる。
一方のセダンは、e-SKYACTIV G 2.0を積む20Sと、e-SKYACTIV G 2.5を搭載する25Lの2グレード構成。どちらも前輪駆動と6速ATの組み合わせであり、6速MTも4WDも設定されていない。
つまり両車は、ボディ後半のデザインを変えただけの兄弟車ではない。ファストバックはエンジン、変速機、駆動方式を幅広く用意し、クルマ好きの細かな好みに応える。一方のセダンは、選択肢を整理して上質さと扱いやすさを重視している。
ファストバックの25Sと25Lが搭載する2.5Lエンジンは、最高出力179ps、最大トルク24.3kgm。自然吸気らしい素直なレスポンスを6速MTで楽しめる。X Touringでは190psのe-SKYACTIV Xと4WD、6速MTという、さらに希少な組み合わせを選択可能だ。
セダンの20Sは、最高出力156ps、最大トルク20.3kgmの2Lエンジンを搭載する。ファストバックにはない、性能と価格のバランスに優れたパワートレーンであり、275万円という価格も魅力だ。MTは選べないものの、セダンにはセダンなりの現実的な選択肢が用意されている。
200mm長いセダンは落ち着きと実用性を重視
ボディサイズにも意外な違いがある。ファストバックは全長4460mm、全幅1795mm、全高1440mm。セダンは全長4660mm、全幅1795mm、全高1445mmで、セダンのほうが200mm長く、5mm高い。
ただしホイールベースは、どちらも2725mmだ。室内長も両車とも1820mmであり、全長の差がそのまま後席の広さにつながっているわけではない。セダンで延ばされた200mmは、独立したトランクと伸びやかなリアスタイルを造るために使われている。
セダンは荷室と客室が明確に分かれるため、荷物の音や外気が室内へ伝わりにくい。フォーマルな外観も含め、落ち着いて長距離を移動するグランドツアラー的な性格が強い。
対するファストバックは、大きなリアゲートを備え、後席を倒せば長さや高さのある荷物を積みやすい。全長もセダンより200mm短いため、市街地や駐車場では取り回しやすい。さらに6速MTや4WDを選べることから、実用性だけでなく趣味性も高められている。
マツダがセダンからMTを外した理由は明言されていないが、現在の車種構成から狙いは読み取れる。落ち着きや快適性を求めるセダンユーザーには6速ATを用意し、積極的に運転を楽しみたい層にはファストバックで6速MTを提供するという役割分担だ。
端正で伸びやかなスタイルや独立したトランクを重視するならセダン。短い全長や荷物の積みやすさ、エンジンと変速機の豊富な選択肢を求めるならファストバックとなる。
なかでもMT派に迷う余地はない。マツダ3を自分で変速して楽しみたいなら、選ぶべきボディはファストバックである。
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