クルマに乗ったら、まずシートベルトを締める。運転席や助手席はもちろん、後席でも着用が義務づけられているシートベルトですが、警察庁とJAFが実施した2025年の全国調査によると、一般道における後席の着用率は45.8%。一般道では、いまも半数以上の人が後席でシートベルトを着用していません。
後席でシートベルトを着用していない場合、高速道路等では運転者に違反点数1点が付きますが、一般道では点数が付きません。この違いも着用率に影響しているのかもしれませんが、一般道でも道路交通法違反であり、事故時には重大な被害につながるおそれがあります。
なぜ、違反でありながら点数の対象にはならないのでしょうか。現在のルールと制度導入の経緯、後席でシートベルトを着用しない場合の危険についてご紹介します。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Flashizzle/peopleimages.com/写真:Adobe Stock、写真AC、警察庁、都道府県警察
【画像ギャラリー】「後席ならシートベルトしなくても大丈夫」はまだ多い! 一般道でも違反なのに“点数が付かない”不思議(9枚)画像ギャラリー後席も着用義務なのに、一般道では点数なし
道路交通法において、後席のシートベルト着用が義務化されたのは、2008年6月1日のことです。それ以前の同法第71条の3では、第1項で運転者自身の着用を、第2項で助手席の同乗者に着用させることを義務づけていましたが、後席については、第3項で運転者の努力義務とされていました。
それが2007年の法改正で、第2項の対象が「運転者席の横」から「運転者席以外」へ変更され、第3項は削除に。これにより、翌2008年6月の施行から、助手席だけでなく後席の同乗者にもシートベルトを着用させることが、運転者の義務となりました。
違反した場合、運転者自身がシートベルトを着用していなかったケースと、助手席の同乗者に着用させていなかったケースでは、運転者に行政処分の基礎点数1点が付されますが、後席については、走行していた道路によって扱いが異なります。
道路交通法施行令別表第二の備考107では、「座席ベルトを装着しない者を運転者席の横の乗車装置以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転する行為については、高速自動車国道等におけるものに限る」と規定されています。つまり、一般道で後席の同乗者がシートベルトを着用していなくても、行政処分の基礎点数は付されないのです(反則金は座席や道路の違いにかかわらず課されません)。
一般道への点数付加は「着用状況を踏まえて検討」
なぜ、後席のシートベルト非着用は高速道路等でのみ基礎点数付加の対象となったのか。2008年に道路交通法施行令の改正案へ寄せられた意見には、「高速道路での違反だけでなく、一般道でも同様に点数を付けなければ効果がない」という趣旨の指摘もありましたが、警察庁は、高速道路等の後席同乗者については、着用率を向上させ、交通事故による被害を軽減することが急務であるため、着用の義務化と同時に基礎点数1点を付加すると回答。一般道については、義務化後の着用状況の推移などを踏まえて検討するとしていました。
まずは高速道路等で導入し、一般道については、その後の着用状況を踏まえて判断するという段階的な扱いとされていたのです。反則金についても、助手席同乗者の着用率が高い水準で推移していることを考慮して、対象とする必要はないと考えているとしていました。
実際、義務化によって後席の着用率は大幅に上昇しました。警察庁とJAFの合同調査によると、義務化前年の2007年は、一般道の後席着用率がわずか8.8%、高速道路等でも13.5%であったのに対し、義務化後の2008年には、一般道が30.8%、高速道路等が62.5%まで上昇しています。
その後も少しずつ着用率は上昇していますが、2025年の調査では、一般道が45.8%、高速道路等が79.9%。両者には34.1ポイントの差があり、一般道では依然として半数以上の人が後席でシートベルトを着用していません。











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