最近のクルマに乗り込んで、「この操作、どこでするんだ!?」と戸惑った経験はないだろうか。装備が充実し、見た目もスマートになった一方で、スイッチまわりはどんどん複雑になっているようにも感じる。では、なぜここまで操作方法が変わったのか? タッチ化が進んだ背景から、いま改めて求められる“本当に使いやすい操作系”とは何なのかをプロドライバーが語る!!
文:中谷明彦/写真:ベストカーWebほか
【画像ギャラリー】ほんとにグローブしてても使える!? 新型パジェロの内装スイッチ類をチェック!(12枚)画像ギャラリースイッチだらけの現代車! 進化で操作系はここまで複雑になった

クルマには実にさまざまな機能が備わっている。そして、それらを操作するためのスイッチもクルマの進化とともに大きく変化してきた。かつてのクルマは、現在と比べれば操作するものが少なかった。運転席に座り、キーを差し込んでエンジンを始動する。キャブレター時代なら必要に応じてチョークレバーを引く。
それ以外の操作といえば、ワイパースイッチ、ウインカーレバー、ヘッドライトスイッチなどが中心だった。ダッシュボードに目を向けてもヒーターの風量や温度を調整するスイッチ、ラジオのオン・オフやボリューム、チャンネルを選ぶプッシュボタンなどがある程度。今のクルマのように数え切れないほどの機能が並んでいるわけではなかった。
ところが、現在のクルマは電動化や電子制御技術の進化によって驚くほど多くの機能を持つようになった。エアコン、シートヒーター、ステアリングヒーター、電動シート、運転支援システム、ナビゲーション、オーディオ、照明など、操作すべきものは増える一方だ。
そこで自動車メーカーやインテリアデザイナーにとって大きな課題となるのが、それらのスイッチをどこに、どのような形で配置しドライバーに操作させるかという問題である。
なぜタッチパネルが増えた? 始まりはナビの大画面化だった
そんな中、近年急速に増えてきたのが、いわゆるタッチパネルスイッチ方式だ。液晶ディスプレイに表示された項目を指でタッチすることで、さまざまな機能を呼び出して設定する。エアコンの温度や風量、オート設定などをはじめナビゲーションの目的地設定やルート案内、オーディオや車両設定など、従来なら個別に物理スイッチを設けていた機能まで、ひとつの画面に集約できる。
タッチパネルが広く普及するきっかけとなったのはナビゲーションシステムの進化が大きかったのではないだろうか。ナビゲーションは地図を見やすく表示し、さまざまな情報を扱うために画面が大型化していった。
そして大型の画面を単なる表示装置として使うだけではなく、その画面そのものを操作パネルとして利用すれば物理的なスイッチを数多く設ける必要がなくなる。目的地設定などは基本的にクルマを停止させた状態で行うため、タッチパネルでも大きな問題はなかった。
走行中に小さな画面を狙えるか!? タッチ操作が抱える弱点
ところが、それをエアコンやシートヒーターなど走行中にも操作する機能へ広げていくと話は変わってくる。 クルマは走行中、常に揺れている。路面から上下、左右、前後方向の動きが伝わり、段差や轍、アンジュレーションのある路面ではさらに大きく車体が揺れ動く。
そんな状態で、液晶画面の中にある小さなスイッチコマンドを正確に指で探し当て、しかも視線を落とさずに操作するというのは簡単なことではない。 特に大型パネルが運転席から離れた位置に配置されている場合には、身体を少し乗り出さなければ手が届かないこともある。路面の凹凸を通過している最中であれば狙った場所に指を置くことそのものが難しくなる。
物理スイッチなら、一度その位置を覚えてしまえば、手の感覚だけで操作できる。ダイヤルなら形状や大きさ、回したときの抵抗感などから何のスイッチなのかを指先で判断できる。
これはタッチパネルにはない大きなメリットだ。最近では、タッチパネルにもアンサーバック機能を持たせ、スイッチを押した、あるいは操作したという感覚を指先に返す工夫も見られるようになった。しかし、それでも物理スイッチが持つ操作感には及ばない部分がある。 タッチパネル操作における大きな課題は、画面を見なければ操作位置が分からないケースがあることだ。
さらに、ドアミラーの調整まで液晶パネルの中で行ったり、ステアリングのスポーク部分にタッチセンサーを設け、指でなぞるように操作するものまで登場している。こうした新世代の操作系が必ずしもドライバーから好評を得ているとは言い難い。














コメント
コメントの使い方