季節の変わり目に点検したいクーラント液
最後に紹介したいのが、エンジンの冷却を担うクーラント液、いわゆる冷却水の点検だ。今年のような猛暑では、エンジンの冷却システムにとっても厳しい環境が続いた。
エンジンは燃料を燃焼させることで大きな熱を発生する。その熱を適切に逃がし、エンジンを正常な温度に保つのが冷却システムの役割だ。
クーラント液はエンジン内部を循環し、熱をラジエーターへ運ぶことでエンジンの温度を調整している。
冷却水が不足したり、冷却システムに不具合が生じたりすると、オーバーヒートを引き起こす可能性がある。
最悪の場合はシリンダーヘッドの変形やエンジン内部の損傷につながり、高額な修理費が発生することもある。そうなる前に、まず確認したいのが冷却水の量だ。
一般的なクルマには、エンジンルーム内に冷却水のリザーバータンクが設けられている。エンジンが冷えている状態で、タンク内の液面が規定範囲内にあるか確認しよう。
ここで絶対に守りたいのが、エンジンが熱い状態でラジエーターキャップを開けないこと。冷却システム内部は高温・高圧になっている場合があり、キャップを開けると熱湯や蒸気が噴き出して大やけどを負う危険がある。
点検は必ず取扱説明書に従い、エンジンが十分に冷えた状態で行うことが重要だ。また、冷却水が減っている場合は、単純に補充して終わりにしないこと。
冷却水は正常な密閉式の冷却システムであれば、短期間で大量に減るものではない。繰り返し減少するようなら、ホースやラジエーター、ウォーターポンプなどからの漏れも疑う必要がある。

駐車場の地面に冷却水らしい液体が落ちていないか、エンジンルーム内に漏れた痕跡がないかも確認しておきたい。
さらに、クーラント液にはエンジンを冷やすだけでなく、内部の金属部品を腐食から守り、冬場の凍結を防ぐ役割もある。
つまり、夏のオーバーヒート対策だけでなく、冬の凍結対策としても重要な存在なのだ。
最近のクルマには長寿命タイプのクーラント液が採用されていることも多く、交換周期は車種や指定液によって異なる。
従来型の冷却水と同じ感覚で頻繁に交換する必要がない車種もあるため、交換時期はメーカーの整備基準に従いたい。
また、クーラント液は色が同じでも成分や性能が異なる場合がある。補充する際には、必ずメーカー指定の適合品を使用することが大切だ。
そして、冷却水が正常でも、ラジエーターファンやサーモスタット、ウォーターポンプなどに不具合があればオーバーヒートは起こりうる。
水温警告灯が点灯したり、いつもと違う異臭がしたりする場合は、無理に走行を続けず、安全な場所に停車して点検を依頼しよう。
クルマを長持ちさせる秘訣は、決して高価な添加剤や特別なメンテナンスだけではない。今回紹介した基本的な部分を定期的に点検し、小さな異常を早期に発見することこそが、愛車の寿命を延ばす近道なのである。
人間だって夏の疲れを残したまま冬を迎えたくない。愛車も同じだ。秋の行楽シーズンを安心して楽しみ、これからも長く愛車と付き合っていくために、まずは身近な4つの点検から始めてみてはいかがだろうか。
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