これまで購入したフェラーリ13台のうち11台がリトラ、半年間だけ乗っていた「カウンタック・アニバーサリー」も含めると、私はこれまで12台のリトラ車を乗り継いでいるが、実はリトラに対する思い入れはあまり深くはない。
中高年フェラーリファンには、「リトラじゃないとダメ!」と言う人も多いし、スーパーカーの三種の神器は「リトラ、ガルウィング、ミッドシップ」だったりもするが、リトラの場合、なにせオーナーは点灯している状態を見る機会がほとんどないので、愛車の写真を改めて見て、「こんな形になるのか!」と軽い驚きを覚えたりする。
2002年のRX-7(FD3S型)の生産中止以来、国産車からはリトラが消滅。輸入車は最後が何なのかよくわかりませんが、とにかくこの世からリトラの新造車が消えて20年近い。理由は、米国の前照灯規格変更や歩行者保護、空気抵抗や重量増などなどによりまする。
それでもリトラファンは根強く残っていて、こういったリトラ特集企画も永遠だ。
そこでことで今回は、タイプ別のリトラ名車を独断で選出してみたいと思います。まったくの独断ですが。
文/清水草一
写真/Ferrari、Lamborghini、ISUZU、ベストカー編集部
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■実に愛らしい 丸いお目目の丸形2灯型
丸形2灯のリトラは、ポップアップすると丸いおめめがパッチリと、カエルのような愛らしい顔になる。
リトラ車は基本的にスポーツカーが中心。つまり乗り手にとっては「武装」だが、リトラを上げた瞬間にそれが一転、とってもカワイイ感じになる。そのギャップが萌えを生む。
<代表的な車種>
・トヨタ 2000GT
・マツダ サバンナRX-7(初代)
・マツダ ロードスター(初代)
・ポルシェ 924/944
・デ・トマソ・パンテーラ
・フィアット X1-9
・フェラーリ 308/328
など
<ベスト 丸いお目目>
・フェラーリ328
現在の自分の愛車でスイマセン。実は、328のカエル顔の魅力に気付いたのは割と最近でした。もともと清楚な美少女型のデザインだが、リトラを上げるとマヌケなほど目が大きく見えて、美女が軽いヘン顔をしているようでメチャメチャかわいいんです。
■メカっぽいイメージの角目2灯型
閉じていれば丸目か角目かはわからないが、開いた状態では、丸目に比べて断然メカっぽいイメージになる。
丸目2灯はいま見ると完全にレトロだが、角目は「リトラクタブル=最新メカ」の香りがほのかに残っており、「20世紀の最新型」みたいなイメージになっております。
<代表的な車種>
・トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(ハチロク)
・マツダ RX-7(FC/FD)
・トヨタ MR2(初代/2代目)
・トヨタ セリカXX
・三菱 スタリオン
・三菱 GTO
・日産 180SX
など多数あるが、不思議なことに輸入車にはあまりない。
<ベスト 角目2灯>
・トヨタ 初代MR2
全身メカっぽい直線基調、ボンネットフードの低いミッドシップ2シーターに角型2灯の組み合わせは、ちょっと昔の最新メカ感満点。角目2灯リトラとの完璧なるコーディネートだった。
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