変身!! 子供の憧れだったが時代の波に消えた リトラクタブルライトの名車たち

■存在感抜群! 堂々の4灯型

 可憐な2灯型に対して、より本格的かつスーパーなモデルに採用される傾向がある。ひとつのヘッドライトの径が小さくなる分、ポップアップした時に車体全体を幅広に見せる効果もある。

 丸目と角目があるが、丸目がよりレトロな雰囲気なのは2灯型と同じ。と言っても、点灯する夜はクルマ全体のシルエットがよく見えなくなるので、どっちでもいいかもしれません。

<代表的な例>
・ランボルギーニ・カウンタック/ディアブロ初期
・フェラーリ多数(BB、348、F355、テスタロッサ系、F40など)
・BMW 8シリーズ(旧)
・マツダ 3代目コスモ
・ホンダ 初代NSX
など

<ベスト 4灯型>
・ランボルギーニ・カウンタック
 カウンタックのリトラは、ノーズの先端ではなくかなり中腹のあたりにあり、その下にポジションランプがあって、普段の「目」のイメージ役になっている。その配置が実に絶妙だ

 ボンネットは滑り台にもなりそうなくらいの直線で、そこ長方形のリトラが持ち上がって丸型4灯が出てくると、すさまじくカッコいい。なにせカウンタックはスーパーカーの帝王であり、すなわちリトラの象徴と言ってもいいわけですから!

 自分で所有もしていたけれど、リトラが上がった状態はほぼ写真でしか見たことがなく、最近になって「こんなにカッコよかったのか!」と改めて感動し、またカウンタックが欲しくなりました。

丸型4灯が特徴的なリトラクタブルライトを装着。写真はカウンタック LP5000S

■えっ、どうなってるの? ポップアップ型

 フタが開くのではなく、通常は斜め上を向いているヘッドライトが、点灯時には持ち上がる形。通常時も「目」が見えているので、クルマの表情を作りやすいというデザイン上の利点があるが、数は少ない。

<代表例>
・ランボルギーニ・ミウラ
・ポルシェ 928
・トヨタ 3代目セリカ前期(ライズアップ)

<ベスト ポップアップ型> 
・ランボルギーニ・ミウラ

 なんといってもミウラのカッコよさは図抜けている。というより、ミウラのヘッドライトが持ち上がった状態を、私はナマで見たこともないのですが、持ち上がってない状態の、あのまつ毛のようなフィンの造形は、さすがイタリアン・スーパーカー。まさに「美女の目」のアイコンそのものだ。

 対する3代目セリカの前期モデルは、通常はマヌケな上を向いた角目、持ち上がっても「なんじゃこりゃ?」で評判が悪く、後期モデルは通常のリトラに変更された。

変わった構造を採用したのが、こちらのランボルギーニ・ミウラ。ライトが前方に立ち上がるようになっている

■イメージを崩さない 控え目美人なセミリトラ型

 フタが全部ではなく一部開閉する形や、フタの一部がブラックアウトされている形などを、こちらに分類させていただきました。ポップアップ型同様、通常時のイメージをあまり崩さないという利点があるが、リトラファンに言わせれば、「これは本物のリトラじゃない!」かもしれない。

<代表例>
・初代ピアッツァ
・2代目プレリュード
・流面形セリカ
・3代目フェアレディZ
など

<ベスト セミリトラ型>
・いすゞ 初代ピアッツァ

 「これで開いたの?」と思うほどわずかなフタの開き方は、セミリトラ中のセミリトラ! ジウジアーロデザインのすばらしさは言わずもがなでもあります。

 そのほか変わりダネとしては、チゼータV16Tのように、上下に配置された片側2つずつのリトラが合計4つ開いて「4つ目が通る」になるものもあった。インパクトは絶大だが、違和感も絶大でした。とっても、実物は見たこともありませんが……。

G・ジウジアーロがデザインしたいすゞ「ピアッツァ」。ヘッドライトカバーが上がるセミリトラクタブルヘッドライトだった

【画像ギャラリー】リトラクタブルヘッドライト好きがたまらない! カッコよさと愛嬌を持ち合わせたクルマたち

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