交差点で信号待ちをしていると、角地にあるコンビニエンスストアなどの駐車場に入ったクルマが、駐車場に止めずにそのまま反対の道路に走り抜けていった……、なんて光景を見たことがある読者もいるのではないだろうか。
朝の通勤時間帯などに見られる光景であるが、たとえ急いでいるとしても、同じく時間は惜しくともきちんと信号待ちしているドライバーからすれば、「なんだアイツ……」と思う行為だ。
また、駐車場出口で一時停止せずに道路に飛び出すドライバーもおり、歩行者との接触事故の原因となる危険性もある。
コンビニの駐車場を通り抜ける行為の問題点、そしてこういった行為は違法ではないのかという疑問、さらにはどういったドライバーがこういった行為を行いやすいのか斬っていきたい。
文/国沢光宏
写真/Adobe Stock (tkyszk@Adobe Stock)
ベストカー2020年8月10日号
【画像ギャラリー】ちょっとの時間短縮で人生に大ダメージも!! コンビニワープに潜む危険性!
■常識の欠如が最大の理由! 問題だらけのコンビニワープ
2年ほど前、盛んにTVなどで取り上げられていた、いわゆる「コンビニワープ」などと呼ばれる交差点カット走行はどうなっただろうか? 結論から書くと、どうやら増えても減ってもいないようだ。改めて交差点のショートカットについて考えてみたい。
状況を見ていると、一番多いケースは自分が走っている道路より交通量の多い道路との交差点だろう。赤信号の時間が長いため、左側にコンビニや商店などの駐車場あれば、急いでいると左折ショートカットの誘惑にかられる。
当時の記事を振り返ると、ショートカットした車両が起こした事故など取り上げ、だからコンビニワープはダメだと主張している。ただ普通に交差点を左折した時と、コンビニワープして左折した時の事故率は紹介していない。このあたりはTVや大手メディアが得意とするロジックです。
個人的な印象だけれど、平時と同じ緊張度合いで交差点を左折するより、悪いことをしている感覚を持つコンビニワープのほうが注意しているような気がします。
加えて違法性も薄い。公道に面しており、柵などのない駐車場は基本的に「公道」という扱いになる。なかにはコンビニや商店の柵のない駐車場まで私有地になると書いている一部メディアもあるけれど、だったら無免許で運転していいことになります。
※編集部注:※コンビニや飲食店の駐車場は「私有地」という意見もあるが、『一般交通の用に供する(場所)(不特定多数の者が自由に通行または利用できる状態)』の場所ということで、これまでの裁判の判例では「公道に該当する」と判断されている。
もしどうしてもコンビニワープされるのがイヤなら、駐車場内に柵を作り(工事箇所のようにパイロンを立てて横柵を渡す簡易なモノでもコンビニワープの抑止効果は絶大)、左折時に通過できないような構造にするしかないと思う。
文頭に戻る。違法性という点では薄いコンビニワープがなぜ増えも減りもしないのだろうか? 調べてみると非常に興味深い! すべての違反や犯罪に共通することらしい。
例えば万引き。明らかに犯罪行為ながら、古今東西どこでも一定数存在するそうな。チカン行為や、傷害も同じ。悪いことだとわかっていても、やってしまう。根っからの犯罪体質なんだと思う。こういった人は悪いとわかっていてもやる。そして良識のある人はやらない。
心理学者によればコンビニワープも同じだという。社会常識を考えたら、やっちゃいけないことは誰にだってわかる。
コンビニワープが普通に行われている行為なら、皆さんためらわずやることだろう。でも現時点では「よくないこと」と認識している人が圧倒的に多いんだと思う。この記事を書くため近所のコンビニワープ可能な場所で観察してみた。
興味深いことに、ほとんどいません。けっこう多いなら割合をチェックしてみようと思ったが、1時間近く見ていて1台もおらず! 残念ながら罪悪感を感じることない精神構造持つ、ごく一部の輩による非道行為なんだと思う。
とはいえコンビニワープが頻発する交差点もあると聞く。そんな場所なら上で紹介したごとく駐車場の中にパイロン並べてスルー通過できないようにすればよいと思う。パイロンを動かす手間を考えたら、普通に交差点を曲がったほうが楽ですから。
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