小型SUVのライズ&ヤリスクロスを脅かすライバルの実力は?
コンパクトサイズから見ていくと、シティ派のヤリスクロス(価格は2WD・Zのノーマルエンジン:221万円/ハイブリッド:258万4000円)に挑むのは、日産 キックスとホンダ ヴェゼルだ。
ヤリスクロスは、ライバル2車に比べると全長が100~150mm短く、後席と荷室も狭い。その代わり走りが軽快で、WLTCモード燃費は2WDで見るとノーマルエンジンが19.4km/L、ハイブリッドは31.1km/Lと優秀だ。
価格はライバル2車の同等グレードに比べて15~20万円安い。従って後席と荷室の広さを重視しない場合、ヤリスクロスは楽しく使えて維持費や価格は割安だ。
また5ドアハッチバックのヤリスに比べると、荷室が広がって外観の存在感も強まり、パーキングブレーキの電動化など装備も充実させて、価格上昇を17万円程度に収める。
一般的にエンジンやプラットフォームを共通化したSUVの価格は、5ドアハッチバックに比べて30万~40万円高いから、ヤリスクロスはベース車と比べても買い得だ。
コンパクトなラフロード派のライズ(2WD・Z:206万円)は、全長が4m以下で5ナンバーサイズに収まるSUVだ。エンジンは直列3気筒1Lターボを搭載することもあり、価格はヤリスクロスよりも安い。
ライバル車も大幅に限られ、売れ行きは絶好調だ。2020年1~6月の小型/普通車販売ランキングでは1位になった。
ライズと同程度のサイズで5ドアボディのSUVでは、スズキクロスビーが挙げられる。フロントマスクは軽自動車でSUVのハスラーに似ており、空間効率を重視したクルマ造りも同様だ。
クロスビーの後席は、ライズに比べて圧倒的に広く、ファミリー指向も強い。
その代わりライズの外観は、コンパクトでもSUVの典型的なパターンだ。運転しやすくて経済的なSUVが欲しいならライズ、実用的なハイトワゴンにSUVのカッコ良さを加えたいならクロスビーという選択が成り立つ。
ミドルクラスではC-HRはXVやCX-30と競合
ミドルサイズでシティ派のC-HR(価格は2WDでノーマルエンジンのG-T:271万5000円/ハイブリッドG:304万5000円)のライバル車は、全長が4.4m前後のSUVだ。マツダCX-30とスバルXVが該当する。
C-HRはライバル2車に比べると、鋭角的な外観に特徴がある。後方視界は劣悪だが、遠方から見てもC-HRと即座に認識される。後席と荷室は、CX-30を含めてあまり広くない(XVの後席は広い)。
C-HRの1.2Lターボと1.8Lハイブリッドは、動力性能は平均的だが、走行安定性と乗り心地のバランスは優れている。シティ派ながら、足まわりはSUVらしく柔軟に伸縮する。
XVはインプレッサスポーツをベースにしたSUVだから、柔軟な印象は乏しいが、200mmの最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を確保しながら走行安定性も良好だ。SUVにありがちな腰高感を意識させない。
CX-30はエンジンに特徴があり、クリーンディーゼルターボや火花点火制御圧縮着火方式のSKYACTIV-Xを搭載する。後者は価格が320万円以上と高いが、運転感覚は良好だ。
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