クルマが売れていない、と言われて久しいが、売れているクルマは爆発的に売れる、というのは昔も今も変わらない。
クルマはフルモデルチェンジやブランニューデビューを前の1カ月前くらいからオーダーの受け付けを開始するケースが多く、メーカーは売れているモデルについて、デビュー1か月後の受注状況を発表し、好調ぶりをアピールすることも多い。
デビュー後約1カ月間の受注と言えば、2009年にデビューした3代目プリウスが18万台を受注したが、後にも先にもこの台数を超えることはないだろう。
そこまでいかないまでも、現行モデルも売れているクルマは売れている。1カ月の初期受注〇万台!! 月販目標の〇倍!! と聞いただけで元気になれる景気のいい現行車について、オーダーが殺到した理由、その後の販売動向、現状について考察していく。
文:ベストカー編集部/写真:TOYOTA、HONDA、DAIHATSU、MAZDA、SUBARU、池之平昌信、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】魅力的過ぎてオーダーが殺到した結果1カ月足らずでオーダーストップ!! 再開に備えてRAV4 PHVをじっくりと研究
トヨタRAV4 PHV
初期受注:台数不明ながら1カ月足らずでオーダーストップ
月販目標:300台
「RAV4史上最強の動力性能」を大々的にアピールして2020年6月にデビューしたのがRAV4 PHVだ。燃費一辺倒ではなく、走る楽しさという付加価値が与えられている。
初期受注台数についてはトヨタから正式発表はないが、月販目標台数の300台を大きく上回る台数が入ったことによって、デビューから1カ月足らずでオーダーストップとなってしまった。
食品などは人気が集中したため出荷を停止する、というケースは多々見られるが(なかには戦略もあり!?)、クルマ界では前代未聞のある意味事件だ。
RAV4 PHVは469万~539万円という価格が判明すると、価格的には安くないが内容を考えるとバーゲンプライス、というのがもっぱらの評価となった。
オーダーストップせざるを得なかった理由としては、バッテリーの生産能力を超えるオーダーが入ったため、ということになっている。
ただ、これまでもデビュー時にオーダーが殺到して納車〇年待ち、と騒がれたクルマはあったのに、なぜRAV4 PHVはオーダーストップに追い込まれてしまったのか。
RAV4 PHVは補助金の対象車ながら、2021年度の補助金が決まっていない、というのが決定打になったのではないだろうか。
この状況を打開するにはバッテリーの生産能力を上げるしかないだろうが、バッテリー生産への投資はリスクも大きいから、トヨタにとっては頭の痛い問題だ。
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