■前後異ナンバープレート装着はウィーン条約に則っている
編集部が外交官ナンバーを所轄する外務省の儀典官室(ぎてんかんしつ)に送った質問は以下の5つ。
1. これまで外国要人の移動用車両に関して、前後で異なるナンバープレートの装着を許可したことはありますか?
2.前後で異なるナンバープレートを装着するアイデアは、事前にアメリカ政府からの提案や申請などがあったのでしょうか?
3. 今回の前後で異なるナンバープレートのまま任意保険は加入できたのでしょうか?
4. 今回のような前後で異なるナンバープレートンの運用は、日常的に外交官ナンバーを使用する諸外国の大使館車両が行なっても問題がないという認識でしょうか?
5.今回のナンバープレートの運用に法的根拠はありますか?
10日ほど待ってやっときた外務省からの回答は以下のとおり。文書ではなく電話での回答だった。質問の1〜2については「回答を差し控える」。
質問3については任意保険に加入していたとのこと。質問4〜5については「ウィーン条約に則っている」とのこと。そもそも事故の際に車両を特定できないのに任意保険に入れるのかナゾなのだが、まあそこはキチンと入ったということだろう。
質問4〜5に関しては前述の「外交関係に関するウィーン条約」を指すが、具体的な条項などまでは回答を得られなかった。
編集部で「外交関係に関するウィーン条約」を調べてみると第25条に「任務遂行のための便宜供与」というものがある。
それを非常に大きな意味で解釈すれば「前後で異なるナンバープレートを付けて移動してもよい」ということになるのかもしれない。いまいちパッとしない結果だが、まあそういうこと、と言われればそれまで。
今回の取材で大きな収穫はトランプ大統領のみならず、他の外交官ナンバーを使った車両も大統領クラスなら前後異ナンバープレートで走っても問題なし、と外務省が判断したともとれること。そうでなければ「質問4」で必ず否定をするはずだと思うのだ。
さらに今回の前例ができたことで、アメリカ大統領はよくて、他国の大統領ではダメという判断は今後かなり難しくなりそうだ。
ちなみに一般車両はクルマ1台に対してひとつの同一番号のプレートが2枚配布される。登録車は封印があるのでリアのナンバープレートを外すことはできないが、車検証と異なるナンバープレートを前後で付けるのは道路運送車両法違反になるのでご注意を。
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