目アンダー?? 講師の助言は1人1人に細かく、的確
「目アンダーですね」。『定常円旋回』の後に、講師の藤井誠暢選手(スーパー耐久)に言われたのが、このひと言だった。曰く「僕たちレーサーでもコーナーで目がパッと泳ぐと、(コーナーの最もイン側に)全然つけない。“目アンダー”って僕は呼ぶんですけど、目のアンダー(ステア)ってあるんですよ」
最初なので、ハンドルを多めに切ったり、アクセルを多めに踏んで、クルマの限界やアンダーステアを体感してみてください。そう言われて実際に運転すると、ハンドルやアクセルに意識がいけばいくほど、自然と目が外を向いてしまう。そこで冒頭のアドバイスとなるわけだ。
目を意識してもう一度トライ。5周ほどの定常円旋回を再び終えると、「3周目が一番よかったですね。その後は速く走ろうと、少しずつ(円の内側から)離れていましたよね? それはタイムが出ないパターンだと覚えておいてください」と、今度は佐々木大樹選手(スーパーGT GT500)からアドバイスが。
こんな具合で、プロがその場で直接アドバイスしてくれるから、自分の運転の何が間違っているのかが自覚できる。
サーキット走行も「はい、じゃあ自由に走って」ではなく、まずはプロの横に乗って走り方のレクチャーを受け、その後もプロの後ろに付いて走るので、とにかく運転の基本を一から学べる。
実際に、定常円旋回とJターンを組み合わせたコースでのタイムアタックでは、最初のタイムが58秒0で、受講後のタイムは54秒2と約4秒もタイム短縮。ちなみに松田次生選手が軽く流して出したタイムは52秒台。
たかだか1分弱のコースで、ほとんどの参加者が秒単位でタイムアップし、まさに“目に見えて速くなっている”のだった。
“ほぼマンツーマン”を採る理由
2017年のNISMOドライビングアカデミーは、全国のサーキット(富士、岡山、鈴鹿等)で計7回開催。参加費用は、今回体験したステージ1+2で2万5000円。さらに、NISMOパフォーマンスセンター経由で申し込むと2万円。
そして、驚くべきは募集台数の少なさで最大でも30台、なかには募集台数10台という回もある。講師は毎回3名のドライバーなので、参加者3人に対して1人の講師が付く場合もある豪華っぷりだ。
その理由は「台数を増やすと、1人1人をしっかり見られなくなる」というもの。この“ほぼマンツーマン体制”にこそ、NISMOドライビングアカデミーの狙いがある。
スポーツカーの真骨頂は何と言っても性能の高さにある。でも、普段そうした車の真骨頂を体感できる機会はそう多くない。車そのものだけでなく、買った後の体験も提供する。
買ったお客さんにもっと満足してもらい、ファンになってもらう。ほぼマンツーマン体制は、日産が目指す新しい車の売り方なのかもしれない。
NISMOドライビングアカデミーの詳細はこちらから
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