■走りにはどんな影響がある!? 気になる低燃費タイヤの実力
では、低燃費タイヤをつけるとどのくらい燃費がよくなるのでしょう。燃費の中でタイヤの性能が占める割合=寄与率は、一定速度走行で20~25%、モード燃費試験で10~20%、市街地走行で7~10%(JATMAホームページ)なのだそうです。
市街地走行では、タイヤの転がり抵抗が10%減ると、その10%(寄与率)が燃費に反映されるので、1%の燃費向上が期待できます。
タイヤグレーディングの転がり抵抗は、「B」⇔「A」、「A」⇔「AA」などランクごとの間がおおむね10%と考えていいので、転がり抵抗「B」のタイヤから「A」に履き替えると1%、「B」から「AA」に履き替えると2%、「AAA」に履き替えると3%くらい燃費がよくなると考えられます。
なんだ1%か、と思われるかもしれませんが、実燃費20km/Lのクルマはタイヤを履き替えるだけで20.4km/Lになるわけです。これが高速道路主体になると寄与率は20%近くが見込めますから20.8km/Lになります。
経験上、ちょっと燃費に気をつけて走るようになるだけでさらに燃費は向上しますから、お得感は少なくないと思います。
もうひとつの疑問、走りの性能は犠牲にならないのだろうか? について。
大雑把な印象でいうと、ほぼ違和感なく走れると思います。注目ポイントはウェットグリップのグレーディングです。ドライグリップとイコールではありませんが、ウェットグリップ「a」「b」だとかなりしっかりとしたグリップ感が期待できます。
操縦性についても、スポーティ、スポーツタイヤにも転がり抵抗低減の動きがみられるようになっています。
ウルトラハイパフォーマンスタイヤのミシュラン「パイロットスポーツ4」の一部サイズに低燃費タイヤがあります。このほかミシュラン「パイロットプライマシー」や、ブリヂストンの「プレイズシリーズ」、ダンロップの「ビューロVE304」や「ル・マンV(ファイブ)」、ヨコハマの「ブルーアースGT」、トーヨータイヤの「プロクセス・スポーツ」の一部サイズなど、操縦性と転がり抵抗を両立した走りの楽しいタイヤも多くみられるようになっています。
タイヤキャラクターと、タイヤラベリングを参考に選んでみるといいと思います。
じつは最新のスタッドレスタイヤも表記はされていませんが、かなり転がり抵抗が少なくなっています。これは接地面を均一にすることでタイヤへの負担≒エネルギーロス少なくするような設計をしていたり、低温時のグリップとともに転がり抵抗を少なくする効果があるシリカが多く使われるようになったことが理由にあるようです。
いまやスタッドレスタイヤも極端な燃費の悪化を心配することなく、走ることができるようになっているのです。
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