日産が「これを日本に入れない手はないだろう」と思わせるモデルをインドで発表した。2026年2月17日にお披露目された新型MPV「グラバイト」だ。
全長わずか3987mmというコンパクトなボディに、3列シート7人乗りを成立させたパッケージングが最大の特徴。「このサイズで3列?」と驚かされるその内容は、日本の街乗り環境にこそフィットするモデルに思える。日産「グラバイト」の詳細をご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】コンパクトなのに7人乗り!?日産の新型グラバイトを写真でもっと見る(10枚)画像ギャラリー4m未満が絶対条件 税制主導で生まれた「3列パッケージ」
「グラバイト(GRAVITE)」は、インド日産自動車会社が発売を発表した、コンパクトサイズのマルチ・パーパス・ビークル(MPV)だ。
このクルマを理解するうえでまず押さえておきたいのは「インド特有の税制」。インドでは全長4000mm未満かつ一定排気量以下のクルマに対して税制上の優遇措置が設けられており、この条件を満たすかどうかで税負担が大きく変わる。このため、各メーカーは「4000mm未満」に収めることを前提に商品開発を行っている。まさに税制がクルマのカタチを規定している状況だ。
日産はすでに、この枠内でコンパクトSUV「マグナイト」を成功させているが、このグラバイトも、まさにそうした背景の中で開発されたクルマ。限られたサイズのなかで、一台に家族全員が乗れる実用性が重視されるインド市場に向けて、その価値観をより明確に打ち出した1台といえる。
プラットフォームは、ルノー・日産アライアンスのCMF-A+プラットフォーム。ルノー「トライバー」と基本コンポーネントを共用することで開発コストを抑制している。外観には日産独自のデザインを与え、単なる「バッジ替え」ではない個性も確保した。価格は56万5000インドルピー(1ルピー=1.70円として約96万円)からと驚くほど安価。この価格設定からも、インド市場に最適化された戦略モデルであることがわかる。
なお、車名の「グラバイト」は、「重力(Gravity)」に由来するそうで、安定化や人を惹きつける力をイメージしているという。
キューブキュービックの再来!? 驚異の空間魔術
ボディサイズは全長3987mm×全幅1734mm×全高1644mm、ホイールベース2636mm。3列シートをもつトヨタ「シエンタ」(全長4260mm)やホンダ「フリード」(全長4310mm)と比較してみても、グラバイトは約300mmも短く、かつてのキューブキュービック(全長3900mm)に迫る短さだ。
当然、3列目の居住性はミニマムだろうが、いざという時に7人乗れるメリットは大きく、都市部の狭い道路でも取り回しは格段にラクなはずだ。
エクステリアは、SUVテイストを与えた力強いデザインで、滑らかなボディラインや張り出したホイールアーチが特徴。フロントとリアに配されたシグネチャーのCシェイプ加飾や、水引模様のアルミホイールのデザイン、182mmという高めの最低地上高が視覚的なタフさを演出している。
インテリアも、7インチフルデジタルインストルメントクラスターや、Apple CarPlay/Android Auto対応のインフォテインメントシステムを備え、価格帯を考えれば十分以上の装備内容。水平基調のデュアルトーンダッシュボードが視覚的な広がりを演出しており、限られた寸法の中で、乗員全員が「なんとか座れる」空間が捻り出されている。













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