トヨタRAV4 PHVの受注殺到ぶりを、三菱はどのような思いで見ていただろうか――。
三菱が誇る「アウトランダーPHEV」は、プラグインハイブリッド世界累計販売台数ナンバー1(2019年5月末時点)となったクルマだ。プラグインハイブリッド車としては、トヨタのプリウスPHVよりも認められてきた実績を持っている。
ハイブリッド車ならいざ知らず、より高額なプラグインハイブリッド車で、ここまで受注が殺到したことに、三菱はさぞかし焦りを感じたことだろう。
先日、三菱はクロスオーバーSUV「エクリプスクロス」をマイナーチェンジし、プラグインハイブリッドモデルを追加する、と発表した。ディーゼルエンジンモデルとの入れ替わりで登場するエクリプスクロスPHEVは、12月より発売される。
三菱として2車種目となるプラグインハイブリッドモデルだが、その売れ行きは未知数だ。果たして、エクリプスクロスPHEVは、RAV4 PHVに、どれほど食らいつけるだろうか。
文:吉川賢一
写真:MITSUBISHI、TOYOTA
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新型エクリプスクロスPHEVはコスパ最高!!
新型エクリプスクロスのエクステリアデザインは、デリカD:5と同じくダイナミックシールドのコンセプトに沿った厳つめの顔つきになり、なおかつ全長を140mm伸ばしたことで、クーペSUVらしい流麗なエクステリアになった。リアデザインも、左右を繋げていたテールライトを左右独立したデザインにしている。
また、ダブルウインドウであったテールゲートも、一般的なシングルへと変更した。インテリアでは、センターディスプレーが7インチから8インチへと大型化されている。
そして、プラグインハイブリッドシステムは、アウトランダーPHEVで実績のあるEVベースのツインモーター4WDだ。
2.4リッターエンジンに前後1基ずつの高出力モーターと、大容量の駆動用バッテリーを組み合わせている。絶対的な加速パフォーマンスはRAV4 PHVに届かないものの、比較的コンパクトなボディによる身のこなしは、相当高いダイナミクスレベルといえるだろう。
価格帯は、プラグインハイブリッドモデルで、約385万円~約450万円(参考:アウトランダーPHEV 約394万円~529万円)。RAV4 PHVが、約465万円~539万円であることから、最低価格で約80万円もエクリプスクロスのほうが安い、ということになる。
しかし、ベースモデルの装備に差があることを考慮し、実質60万円程の価格差だと、とらえていだろう(RAV4のベースモデルに標準装備される「スマートフォン連携ディスプレイオーディオ」が、新型エクリプスクロスのベースモデルには非装着の見込)。
どちらにせよ、新型エクリプスクロスPHEVはコストパフォーマンスが非常に高いといえる。
しかし、バッテリー容量は、RAV4 PHVの圧勝だ。アウトランダーPHEVにも採用されている、エクリプスクロスPHEVの駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は13.8kWh、EV走行可能距離は57.6km であるのに対し、RAV4 PHVはバッテリー総電力量18.1kWh、EV走行距離は95kmと、なんと約4割以上も多い。
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