アルファードの1%未満でも価値あり!? 新型グランエース 発売1年目の通信簿

アルファードの1%未満でも価値あり!? 新型グランエース 発売1年目の通信簿

 トヨタ最上級ミニバン「グランエース」の登場から1年。意外な売れゆきと1年間でみえた評価は?

 ミニバンの販売比率は、乗用車市場全体では約15%、軽自動車を除いた小型/普通乗用車に限ると約25%に達する。

 トヨタにはミニバンが豊富に用意され、その最上級車種がグランエースだ。全長5300mm、全幅1970mm、全高1990mmに達するLサイズのボディを備え、グレードは「プレミアム」(3列シートの6人乗り)の2/3列目には、アルファード&ヴェルファイアの2列目と同様、豪華なエグゼクティブパワーシートを装着。

 ほかのミニバンでは座り心地が悪化する3列目も、グランエースなら2列目と同じく快適だ。

 グランエースは2019年11月に発表され(発売は翌12月)、東京モーターショー2019にも出展された。ショーでは、存在感の強いボディスタイル、豪華で広い室内などが注目を集めた。

 開発者は「プレミアムは2/3列目の両方にエグゼクティブパワーシートを装着するので、4名が快適に乗車できます。法人のお客様がVIPを乗せるのに最適です。Gは8人乗りなので、ホテルなどがお客様の送迎に使う時に便利です」と述べた。

 グランエースはその期待に応えるクルマなのか、改めて考えたい。

文/渡辺陽一郎、写真/平野 学、TOYOTA

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■目標はアルファードの0.5%でもグランエースは「着実な売れ方」?

トヨタ グランエース。海外仕様のハイエースをベースにしているため、アル/ヴェルよりもさらに大型となっている
トヨタ グランエース。海外仕様のハイエースをベースにしているため、アル/ヴェルよりもさらに大型となっている

 発表時点におけるグランエースの販売目標は、1年間に600台(月/50台)であった。アルファードの登録台数は、2020年9/10月には1か月当たり1万台を超えたから、グランエースの目標は0.5%に留まる。

 実際の登録台数も、2020年の月平均で60台少々だ。ホテルなどが顧客の中心であれば、コロナ禍の影響を受けそうだが、各月の登録台数は均等して推移している。少数でもメーカーのねらった登録台数はクリアしている。

 ちなみにクルマの売れ行きは、一般的には発売から時間が経過すると下降を開始する。そこも考慮すると、数年後に生産を終えるまでの平均で目標台数を達成するには、発売直後に目標値の1.5倍程度を売る必要がある。

 その点でグランエースの売れ方は大人しいが、ビジネス需要が中心だから、時間を経過しても登録台数が下がりにくい。想定通りの着実な売れ方だ。

 そこでトヨタの販売店にもグランエースの販売状況を尋ねると、以下の返答だった。

 「グランエースは売りにくい商品です。ボディが極端に大きいので、販売店によっては整備工場のリフトに載りません。グランエースに対応できるリフトを備えるのは、おそらくトヨタの販売店の中でも60%前後でしょう。お客様はハイヤー業者様とか、あるいは旅館の経営者様など、業務用が中心です」

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