■どこに注目するかで評価がわかれるメーカーに
しかしこのような現状も、今のマツダファンには魅力なのかも知れない。こんな具合に……。
新しいマツダは、ミニバンや背の高いコンパクトカーは一切手掛けず、自ら退路を断って、スカイアクティブ技術と魂動デザインのクルマだけに特化している。
復活途上の段階だから、売れ行きが伸び悩むのは当然で、マツダの結論を出すのはまだ早い。
これからはマツダ車に育てられた俺たちが、マツダを盛り上げていく。対前年比に何の意味がある? クルマは、自動車メーカーは、そんなふうに見るものではないだろう。対前年比なんて過去の話だ。問題はこれから、どれだけ伸びるのか。マツダが秘めるパワーを高めてあげたい。
それはマツダと顧客、つまり俺たちの熱意に掛かっている。たとえ長い時間を費やしても、マツダは少しずつ業績を高め、やがてロータリーエンジンを搭載したスポーツカーもデビューさせるだろう。
それで良いではないか。マツダも俺たちも、今の進化と深化を信じて、少しずつでも前に進んでいるのだから。
今のマツダのイメージは、上記のような具合だろう。今のマツダほど、視点の置き方によって評価の変わるメーカーはないと思う。
■マツダにお願いしたいこと
今のマツダは新型車を発売する時の受注開始が早すぎる。CX-8は2017年9月14日に受注を開始して、納車を伴う発売は12月14日だった。
そうなると購入の商談をする時に車両がなく、ユーザーは「現物を見ずに買う」危険を強いられる。これを避けるために発売後に試乗して納得した上で契約すると、納期が大幅に遅れる可能性が生じる。
今のマツダ車は「走りのよさ」がウリだから、試乗をさせずに契約する売り方には甚大な矛盾が伴う。
早期に受注を開始すると、メーカーは売れ筋グレードなどが早い時期に分かって生産計画を立てやすい。生産開始後には迅速に納車できて好都合だが、顧客を長期間にわたって待たせてしまう。きわめて失礼な売り方をしている。
商品はクルマ造りが硬直化して、どれも同じに見える。例えばCX-5が好きな人はすべてのマツダ車に馴染めるだろうが、嫌いな人はマツダの全車がダメになる。もう少し車両の特徴、色彩なども含めて幅を広げて欲しい。
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