お孫さんができたとか、両親と同居している、なんていうドライバーにとって3列目シートを装備するミニバンやSUVは非常に頼もしいドライブの友だろう。
しかしなにかとスペースに制約のある3列目だからといって、体格の小さな子どもを乗せているなんて使い方をしていないだろうか?
実はそこには大きな危険性もありました。マツダCX-8が発表した3列目シートの安全性について迫ります。
文:国沢光宏/写真:平野学
ベストカー2018年1月26日号
■3列目にチャイルドシートは即やめるべき!!
マツダはCX-8の試乗会で3列目シートの追突安全性に言及した。記憶にある限り、日本の自動車メーカーが3列目シートの安全性を語ったのは初めて。
以前から3列目シートの危険性を訴えている私からすれば「よくぞ言った!」。現在販売されているモデル、基本的に追突されたら生存空間がなくなります。
同じことが軽自動車の後席にも当てはまる。こういった席にチャイルドシートを付け、大切な子供を乗せることの危うさをぜひとも認識していただきたい。
さて、現在日本で販売しているクルマの追突安全基準はたった一つ。「50km/hで追突された時に燃料漏れしないこと」だけ。乗っている人がどうなっても関係なし! そもそも3列目シートにダミーを乗せた試験などしていない。
アメリカだと「80km/hからのオフセット追突して燃料漏れしない」という圧倒的に高いハードルが設定されている。オフセット追突で燃料漏れしないよう対策するとボディ変形も最小にしなければならず、結果的に3列目シートの生存空間も確保できるワケ。
今回マツダがアピールしているのは、単なる80km/h後面衝突対応だけでなく、生存空間も確保したという点にある。
アメリカで販売してるクルマは基本的に燃料漏れしないが、生存空間残っているかどうか不明だ。
マツダの場合、アメリカ基準のさらに一歩先を達成した。このようなことを今まで言ってたのはボルボXC90だけ。
ボルボらしいのが「身長170cmまでならすべてのシートに同じ安全性を確保した」。身長170cmを超えたら違うそうな。
マツダに聞いてみたら「ウチも同じだと理解して頂ければいいと思います」。いずれにしろCX-8なら3列目シートに将来ある若手を座らせるリスクを考えなくていい。
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