■ライズなど登場でさらに減速! 終売のジュークに見るC-HRとの共通点
首都圏にあるトヨタ系列店の営業担当者によると、「C-HRはライズやヤリスクロスが発売になってから、売れ行きの低迷が目立つようになった。両モデルよりも上級に位置づけられ、クオリティや走りのポテンシャルも高いので、クラスが違うわけだが、クーペスタイルのため後席や荷室スペースは両モデルよりも狭い。遊びグルマとしては不向きな面があるので、売れ行きが悪くなっている」と指摘する。
これに、ほぼ同クラスの「カローラクロス」が発売になったらどうなるか。室内が広く、荷室スペースもたっぷりあり、そのうえクオリティ&走りのポテンシャルも同格ないしはそれ以上だから、そうなるとC-HRの存在価値がますますなくなり、場合によっては生産中止に追い込まれる可能性もありそうだ。
両モデルが併売になる場合、同じクラスではあるが、カローラクロスはオーソドックスなSUVボディシェルで背が高く、室内も広いのでレジャービークルとしての使い勝手を重視するユーザー向け、これに対してC-HRは背が低くスタイリッシュだから、かっこよさと走りを重視するユーザー向けに売って行くというコンセプト分けで対応するに違いない。
しかしながら、ライズやヤリスクロスの投入に生じた現象のように、C-HRの売れ行きは一段と落ち込む確率は高くなる可能性がある。発売後4年が経過しているが、SUVの世代交代にはあと2年あり、フルモデルチェンジするとすれば2022年末あたりであり、あと2年でどれだけ売れ行きが落ち込むかもC-HRの運命がどうなるかに関わってくるだろう。
SUVのトレンドは大きく分けるとふたつある。ひとつはオーソドックスなSUVシェルでレジャービークルとしての使い勝手のよさ、もうひとつはより乗用車に近い背が低めでスタイリッシュなクーペシェルである。
クーペシェルは「C-HR」やマツダの「MX-30」などがあり、生産中止になった日産の「ジューク」もこちらに属するといえる。最近のトレンドは明らかにクーペシェル志向のトレンドは脇役になり生き残るのは難しい状況になっているのかも知れない。
オーソドックスなSUVはシティ走行向きの2WDメインとラフロード志向派の4WD主役とふたつがあり、両方ともマーケットニーズが高い。4WD中心は、トヨタ「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」「RAV4」、日産「エクストレイル」、スバル「フォレスター」「XV」があり、2WDはこれ以外の車種である。
■販売現場が明かしたC-HRの追い込まれた現状
●証言:首都圏首都圏トヨタ店営業担当者
今年に入ってC-HRの売れ行きが急減している。2019年末以降、「ライズ」「ハリアー」「ヤリスクロス」の新型SUVが相次いで登場し、これらに人気が移っていることが要因として上げられる。
特にコンパクトクラスはライズ、ヤリスクロスはC-HRよりも室内が広く、荷物の積載性がいいので、遊びグルマ的感覚でSUVを買い求めるユーザーは後席や荷室の狭いC-HRは買わない傾向がある。
2021年秋にカローラクロスが発売になれば、C-HRと同クラスだから、余計に存在価値がなくなり、売れ行きは激減し生産中止に追い込まれる可能性がある。2022年末には世代交代期になるので、その時点でフルモデルチェンジし上級シフトすれば生き残れるかも知れないがそれまでもたない可能性もある。
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