■M-NVはゲームチャンジャーになりうる実力あり! その存在に要注目
もう少しわかりやすく説明してみよう。現在中国で販売しているホンダ「ヴェゼル」の価格は201万円。日本と“ほぼ”同じ価格といってよかろう。236万円のM-NVもヴェゼルのプラットフォームを使っているため、兄弟車と言ってよい。価格差35万円だ。
ヴェゼルの実用燃費を12km/L。M-NVの電費を6km/kWhとすれば、走行1万kmあたり8万円以上浮く。いや、中国だと価格差分の補助金が出るため最初からM-NVは安い。もし日本でも安価なCATLのリチウム電池を搭載したヴェゼルを236万円で出せたら、補助金(2021年は80万円)使うことで最初からガソリン車より安くなってしまう。こうなるとゲームチェンジだ。誰だって電気自動車を買うことだろう。
CATLのリチウム電池を搭載したホンダ車を日本で売る時が来るだろうか? こらもう「遠からず来る!」と予想しておく。御存知のとおり日本の外交能力は極めて低い。中国政府から安全性の保証を付けられた上、貿易不均衡解消のためにもCATLのリチウム電池を買うように圧力掛けられたら、簡単に屈すると思う。
もちろん安全性は重要。ただ前述のとおりホンダもCATLに出資している。日本水準の安全性をクリアさせることは難しくないだろう。それ以前に、M-NVが搭載しているのは安全面で極めて優れているリン酸鉄リチウム電池かもしれない。この電池、CATLの得意分野で、安価かつ安全で寿命も長いという素晴らしい特性を持つ。
M-NVの評価が高まり、トラブルなど起きなければ99%の確率でホンダは日本でもCATLのリチウム電池を搭載したモデルを出してくると思っていい。2022年か2023年になるか不明ながら、そうなったら日本で販売されるホンダの半分くらいが電気自動車になるんじゃなかろうか。ぜひM-NVに注目していて欲しい。
参考までにM-NVのスペックを挙げると、全長4324×全幅1785×全高1637mm。ヴェゼルの4330×1770×1605mmと極めて近く、でホイールベースは共通の2610mm。モーターが最大出力163ps、最大トルク28.5kgmを引き出す。動力性能は0~100km/h加速が、日産の「標準型リーフ」と同等の9.3秒となる。
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