交通トラブルの原因にも!! 意外と知らないクラクションの正しい使い方

■法律で認められている以外にクラクションを鳴らせる状況とは?

 では、本来は許されていない状況でも容認されるのはどういった状況なのだろうか。

 比較的クラクションを多用するドライバーは感覚が麻痺しているせいか、何かにつけクラクションを鳴らし、鳴らすことに抵抗感がなく、長く鳴らすことにつながる。これは前述のように交通トラブルや妨害運転罪にもつながる行為だから、絶対に改めてもらいたいものだ。

 歩行者に対して、進路を譲るようなアピールとしてクラクションを鳴らすのは言語道断で、自転車でもベルをみだりに鳴らしたりして歩行者をどかせるのは違法だ。

自転車のベルは「警音器」であり、自動車のクラクションに相当する。前方の自転車や歩行者に進路を譲らせるためにベルを鳴らせば、警音器使用制限違反に問われる場合がある(mitifoto@AdobeStock)
自転車のベルは「警音器」であり、自動車のクラクションに相当する。前方の自転車や歩行者に進路を譲らせるためにベルを鳴らせば、警音器使用制限違反に問われる場合がある(mitifoto@AdobeStock)

 もちろん歩行者にも守らなければならない法律はある。例えばランニングをしている歩行者は、切り下げ(歩道を通過するクルマのために斜めに掘り下げている部分)などを嫌って、車道を走っている人も多いが、これは本来は違反行為だ。歩道がある道路は、歩行者は歩道を走ることが義務付けられている。

 立ち止まって話したり、道路を塞ぐように歩いたりすることも道路法では本来、禁止されている行為だ。それでも、クラクションを使って歩行者を蹴散らすような行為は法律上は認められていないので、もし頻繁にそんな行為をしていれば、道交法違反で検挙されることもあり得る。

 そうは言っても、後続のことなど考えていない道の真ん中をのんびり歩いている歩行者がいれば、クルマは通行に困ってしまうことになる。道交法で定めている使い方以外はクラクションを一切使えなければ、それはとても不便なことになる。では、どういった時に使えばいいのか、それは時間帯も含め、ケースバイケースと言うしかない。

 まず重要なのは、クラクションを合図として使うのであれば、できる限り短く鳴らすことだ。本来は、注意を促す警音器であるクラクションだけに、聞こえたドライバーや地域住民は、まず音に驚き、続いて不快な感情が沸き起こる。

 もしもクルマの構造上の問題など(エアバッグが内蔵されてから、ホーンボタンの感度が低いクルマもある)クラクションを短く鳴らすことが難しいと感じているのであれば、迷惑のかからない地域や時間に練習するべきだろう。

 運転操作の練習を甘く考えている人は多い。それは免許を取得して公道での流れに乗れるようになれば、もう上達する必要性は薄いと考えているからだろう。あるいは日常の運転操作で十分に繰り返し練習したことで上達者だと思い込んでいて、周囲のドライバーを自分より下手だと見下している人もいるようだ。それは長年、無事故無違反を続けてきただけで自分の運転は上手いと思い込んでいる高齢ドライバーと同じようなものだ。

 ともあれ、イライラした時やカッとなった時にクラクションを鳴らす、という行為は絶対に止めるべきだ。対向車のわき見運転や信号無視などで衝突事故を招きかねない危険な状況、法律で定められている状況以外で鳴らす時には「ピッ」と短くだけ鳴らすに留めよう。

クラクションに関する法令違反には警音器吹鳴義務違反(違反点数:1点、反則金:大型車7000円、普通自動車6000円、二輪車6000円)、警音器使用制限違反(違反点数:なし、反則金:3000円)がある(metamorworks@AdobeStock)
クラクションに関する法令違反には警音器吹鳴義務違反(違反点数:1点、反則金:大型車7000円、普通自動車6000円、二輪車6000円)、警音器使用制限違反(違反点数:なし、反則金:3000円)がある(metamorworks@AdobeStock)

 自分がやられたら気分を害する行為は、相手にもしないのは人間として当然のこと。それを念頭に置けば、クラクションを鳴らせる状況、鳴らし方もおのずとわかってくるハズだ。

【画像ギャラリー】イライラしてもちょっと待った!! 執拗なクラクションは「妨害運転罪」の対象に! その詳細

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