■手数料の有無で金額は大きく違う
一般的な乗用車で車検に必要な最低限の費用は次のものです。
・検査手数料:1700円(3ナンバーは1800円、軽自動車は1400円)
・自賠責保険料:3万170円(24カ月)
・自動車重量税:重量や増減税によって異なる
このうち自動車重量税以外は固定で変わりありません。たとえば、2019年登録のトヨタC-HRの場合は、最初の車検での自動車重量税はガソリン車が2万4600円なのに対し、ハイブリッドは減税されて0円です。
もし、何の不具合もない状態で、消耗品も減っていない、不具合部分もなく、自分で公的車検場に持ち込むと、1800円+3万170円の3万1970円で車検を通せます。
しかし、自分で公的車検場に行くのはどうも難しそうだ……というユーザーも多く、そのような場合に業者を利用することになります。業者の場合は、利益を出さないとならないため、手数料などが掛かります。
民間車検場の場合は、自社工場で検査を行います。このため公的車検場のように1700円や1800円で検査は行いません、最低でも1万5000~2万円程度の費用が必要で、これが基本料金となります。
自動車ディーラーなども多くは民間車検場となっています。ディーラーの場合は基本料金が7万円以上などで設定されていることも多くあります。
■パーツの価格も千差万別
民間車検場ではない自動車整備工場は認証工場と呼ばれます。認証工場に車検を依頼すると、自社工場で整備を行って公的車検場に持ち込んで検査を受けます。認証工場でも公的車検場に持ちこんだ際に必要な費用は同じです。
これでは利益が発生しないので、手数料が加算されてやはり最低でも1万5000~2万円程度が基本料金となります。
しかし、これだけではなかなかすまないのが実状で、さまざまな部品の交換をすすめられます。自動車の部品交換に必要な費用は、部品代+工賃で構成されています。ここがポイントです。
ディーラーでの車検の場合に使われる部品は、純正部品もしくは準純正部品となります。このため価格は高いのですが、部品そのものの信頼性は高いものとなります。この部品を純正ではなく、価格の安いものにすれば、ある程度費用は下げられます。
たとえば、純正で1万2000円程度するフロントブレーキパッドが、社外品では10分の1の1200円くらいで販売されていることもあります。
この安いパッドを業者が仕入れてきて、交換して部品代を5000円で請求された場合、業者の儲けは3800円です。
いっぽう、純正で1万2000円のブレーキパッドの仕入れ額が7割の8400円の場合、業者の儲けは3600円ですから業者としても儲けが大きくなります。
お客さんとしては、部品代で7000円の節約ができるというわけです。1万2000円と1200円のブレーキパッドにどれくらいの性能差があるかは明確ではありません。場合によってはほとんど変わらないこともあるでしょうし、大きく変わることもあるでしょう。
純正品やブランド品は品質が保証されていることが魅力で、その保証に対して対価を支払うのです。
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