トヨタの隠し玉 新型シエナが日本を飛び越して中国で発売しヒットの予感

トヨタの隠し玉 新型シエナが日本を飛び越して中国で発売しヒットの予感

 北米専用のトヨタ製ミニバン「シエナ」の新型モデルが2020年11月に発売された。

 北米市場では、ミニバンの認知度が低かったものの、クライスラー製のミニバンがヒットしたことで認知拡大。ホンダが北米向けのオデッセイを投入するなど、日本メーカーもこの市場に参入してきた。

 しかし世界的なSUV人気もあり、北米市場ではミニバン人気に陰りが出てきた。それに伴ってシエナは北米専用ではなく、販路を求めて他国への展開が始まったという。たしかに新型シエナは魅力的で、これを北米だけで売るのはもったいない。ぜひ日本でも…と思ったら、調べてみるとどうも太平洋を渡って日本列島をスキップして中国市場へ展開? マジかー。

 以下。アルファード/ヴェルファイアを超えるクラスのトヨタ製ミニバン、最新情報をお届けします!

文/小林敦志、写真/TOYOTA

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■ミニバン市場は中国で上昇中!?

昨年11月に発売が開始されたトヨタ シエナ4代目モデル
昨年11月に発売が開始されたトヨタ シエナ4代目モデル

 2020年5月18日に、トヨタ シエナの新型(4代目)がアメリカでデビュー。その後2020年11月に正式発売となっている。

 シエナの歴代モデルはアメリカ国内の工場で生産され、おもに北米市場で販売を続けており、日本市場ではトヨタ系正規ディーラーで販売されたことはない。

 アメリカンブランドのクライスラーが世界的に“ミニバン”というものを認知させたという歴史があるのだが、残念ながらいまの北米市場におけるミニバンマーケットは「限定的なもの」といえる。

 シエナのほかは、クライスラー パシフィカ、ホンダ オデッセイ、韓国の起亜セドナぐらいしかラインナップされていない。日本ではファミリーユースも多く人気が高いミニバンだが、北米市場におけるそのようなニーズは、3列シートを持つ大型クロスオーバーSUVが担っている。

使い勝手の良い3列シートを持つミニバンは日本国内では人気が高いが(いわゆる「お茶の間」需要)、北米市場では大型クロスオーバーSUVにニーズを奪われている
使い勝手の良い3列シートを持つミニバンは日本国内では人気が高いが(いわゆる「お茶の間」需要)、北米市場では大型クロスオーバーSUVにニーズを奪われている

 いままでは北米専売といってもいい状況だったシエナだが、正規販売されていない中国やロシア、東南アジアなどの街中で見かけることがあった。あくまで個人輸入なのか、専門業者なのかは不明だが、おそらく北米仕様を並行輸入したものが売られているようである。

 中国ではフルサイズミニバンは“高級商務車”と呼ばれ、企業経営者や役員が運転手付きの移動車として使うニーズが多い。

 アメリカ系や中国民族系、そして日系ではアルファード&ヴェルファイアなど、数多くのフルサイズミニバンが正規販売されているのだが、それでもわざわざ高いお金を払いシエナを乗っているケースがある、ということだ。

 あくまでアメリカのスペックであるが、新型シエナはハイブリッドユニットのみの仕様(2.5Lガソリンエンジン+モーター)であり、多くの国で「純内燃機関車を2030年から2040年くらいには販売中止にする」と発表しており、アメリカ以外のマーケットへ“さらに入れやすい”状況になっているのは間違いないだろう。

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