■中国での生産&販売の情報も
筆者は今回の4代目シエナが登場した時に、果たしていままでのようにほぼ北米専売のスタンスを維持するのか、それとも世界市場に門戸を開くのか注目していた。
情報を探っていくうちに、中国市場において、すでに「新型シエナの現地生産及び正規販売計画がある」と、中国現地メディアが報じている…との動きをキャッチした。
押しの強いデザインを好む中国人消費者にとって、アルファード&ヴェルファイアは相当“刺さった”ようで、中国民族系メーカー各社は、アルファード&ヴェルファイアをさらに誇張したような“オラオラ”スタイルのミニバンをラインナップしてきている。
ただ中国はなにしろ人口が13憶人の国なので、すべての消費者がオラオラスタイルが大好きというわけでもないだろう。
新型シエナは押さえの利いたエクステリアデザインを採用しているので、中国現地生産及び正規販売開始により、“おとなしいスタイル好き”ユーザーを惹きつけ、中国市場で新たな人気トヨタ車が誕生しそうである。なお先行報道によると、生産は一汽豊田で行われ、漢字名は“塞納”となるようである。
日本市場でも、先代となる3代目シエナは都市部などでチラホラ見かけることが多い。並行業者が北米から輸入して販売しているようだ。前述した中国のように、アルファード&ヴェルファイアのようなイメージを嫌う人にはうってつけのようである。
■日本国内での販売の可能性は
日本では個人輸入レベルでチラホラ見かける程度が関の山なので、新型になっても正規販売されることはないだろう。
ただ、これまで「アルファード&ヴェルファイアではちょっと……」という人向けの受け皿として、エスティマがラインナップされていたが、いまエスティマは販売終了してしまった。
さらに、現状ではアルファードに対してヴェルファイアの販売台数が急落しており、近々アルファードのみになるのではないかともいわれている。
そうした周辺環境を考えると、シエナの日本国内正規販売もまったくの夢物語とも言い切れない。とはいえ日本国内ではシエナのポジションに被りそうな “グランエース”がラインナップされているので、そうしたことを考えるとシエナの日本正規販売はあまり現実味がないように考えられる。
現状では、北米市場はもちろん、現地生産及び正規販売が今後行われるとされる中国も、左ハンドルで右側通行の国であり、いまだに右ハンドルで左側通行の国でのデビュー予定は確認できていない。
ただ、3代目と4代目のインパネデザインを比べると、4代目のほうが右ハンドル仕様を設定しやすいように見えるのは意味深である。今後は、近いところではタイやインドネシア、またはオーストラリアなど、左側通行の国々でデビューする可能性を示すカギとなってくるだろう。
シエナどころか、海外でのミニバン事情などに興味のないひとも多いかもしれない。
しかし、日本メーカーのモデルなのに、日本で販売されておらず、日本人のほとんどが知らないのに海外で注目されている事実は、日本市場がいかにガラパゴス化しているかということを、わかりやすく例えているトピックスのひとつともいえるだろう。
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