今でこそドイツ車が人気の日本だが、ひと昔前に「輸入車」といえばアメリカのクルマを指した時代もあった。大きなボディに奇抜な外装、そして船のように柔らかい乗り心地。そんなアメ車のイメージは現代にも通ずるものがある。
しかしそんなアメ車の代表格であるキャデラックの現行モデルたちにはかつての「フワフワ」した乗り心地もなければ、異様に長いロングノーズもない。
かつてのアメ車イメージを覆す最新キャデラックの世界を紹介したい。
文:伊藤梓/写真:Caddilac
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■かつてのアメ車のイメージを覆す最新キャデラックの洗練
「アメ車」と聞くと、いまだにこんなイメージが思い浮かぶ。「ボディサイズが大きく、大排気量で、乗り心地はマシュマロのようにふわふわ。そして、ハンドリングはガバガバにだるい」というような。
ところが、実際に最近の「アメ車」に触れてみると、そのイメージからは想像できないような洗練されたクルマになっている。特にそれを強く感じるのが、キャデラックのセダンだ。
日本に導入されているキャデラックの中で、今もっとも注目されているのは、やはりSUVだろう。どでかくて、顔面が強くて、ゴツくて、かっこいい。日本にはそんなクルマを好むユーザーも多いので、その人気も頷ける。
しかし、SUVだけではなく、注目して欲しいのが、セダンのモデルだ。最近は、プラットフォームが一新されたセダン群が続々と登場している。フラッグシップモデルの「CT6」もそうだし、今年1月に導入されたばかりのDセグメントセダン「CT5」もその1台だ。
CT5は、CTSの後継モデルで、他メーカーで言えば、メルセデス・ベンツEクラス、BMW5シリーズなどと肩を並べるDセグメントセダンだ。そして、CT6と同様に新型FRプラットフォームを採用している。
パワーユニットは、2L直4ターボ(240ps/350Nm)を搭載し、気筒休止システムや10段ATを採用するなど、キャデラックらしいパワフルさはそのままに、さらに環境性能にも配慮したモデルになった。
デザインは、「エスカーラ」というコンセプトカーがベースになっていて、これまでちょっと大味な雰囲気もあったデザインから、ボディ全体が引き締まってスタイリッシュになった印象を受ける。
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