■ガソリンや保険はどうか? 気になるランニングコスト
アメリカはガソリンも安い。近年では、1ガロンあたり3ドル前後(リッター80円前後)だ。州など地域による税額に違いで、アメリカ各地のガソリン価格は違うが、それでも日本よりかなり安い。
だが、これでも随分と高くなった印象がある。1990年代前半までは1ガロン1ドルを切っていたのだから。つまり、リッター20数円だった。
当時、筆者は6リッターV8のフルサイズピックアップトラックを所有しており、満タンで90リッターが必要だったが、それでも2000円程度だった。
オイル交換などの定期点検費用についても、オイル交換専門チェーンや、大型量販店のウォルマートの自動車メンテナンスサービスなどで、日本と比べると費用は数分の1で済む。
ただし、自動車任意保険は、場合によって日本より高いことがある。年齢(特に25歳以下)、居住地(都市部か地方か)、利用方法により価格差が大きい。そのため、車内自己診断装置OBD2を介して走行状況を把握し、その内容によって保険料を割り引く方法の普及は世界市場ではアメリカが先行した。
そのほか、最近日本でも人気のカーキャンプ用品なども、量販店での価格は日本の数分の1だ。
結局、アメリカは一部の大都市を除き、全般的に日用品に関する物価が安く、結果的に自動車の維持費も安くなるのだ。
■欧州の維持費は高めだが 自動車振興策を設定する国も
一方、欧州については、国により自動車関連税の種類や方法に差があるが、アメリカと比べてなにせ物価が高く、自動車の維持費も必然的に高い印象がある。そうしたなか、新車への買い替えの掘り起こし策として、古いクルマからの新車乗り換えで購入補助金(スクラップインセンティブ)を設定する国もある。
また、税金についてはCO2排出量に応じたクラス分けが2000年代から各国で始まり、現在の欧州グリーンディール政策へと結びついている。
こうした中で、欧州でのEV所有は税控除や購入補助金を考えると、クルマの維持費を下げる手段のひとつになっている。海外とひとことで言っても、社会背景は大きく違い、クルマの維持費についての考え方が違ってくる。
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