デミオとファミリアもほぼ同等! 昔の車をカバーする現行車
■現行型フィット/全長3990×全幅1695mm
■4代目シビック 3ドア/全長3995×全幅1670mm(1987-1991)
フィットは、コンパクトカーとしては歴代キャビンが驚異的に広く、シビックにあった3ドアハッチバックこそないもののバリエーション豊富。
4代目シビックにあったSi級のスポーツモデルとなる「RS」に加え、ボディタイプもセダンのグレイス、ステーションワゴンのシャトル(シビックと同じ車名)、つい最近までシビック時代のCR-Xに近い存在のCR-Zもあり、かつてのシビックの後継車としての役割を十二分に努めている。
■現行デミオ/全長4060×全幅1695mm
■7代目ファミリア 3ドア/全長4030×全幅1690mm(1989-1996)
マツダ デミオとファミリアもフィットとシビックと同じ話だ。ドアの数とデミオに7代目ファミリアの4WDターボのような本格的なスポーツモデルがない以外、デミオは文句なくアクセラのサイズでは困る、ファミリアユーザー向けの受け皿といえる。
■現行レヴォーグ/全長4690×1780mm
■4代目レガシィツーリングワゴン/全長4680×全幅1730mm(2003-2009)
現行レヴォーグは、まさしく5代目レガシィのアメリカシフトによる肥大化で行き場を失った4代目までのレガシィツーリングワゴンユーザー(特に2.5L、NAと2Lターボ)向けの受け皿だ。
唯一惜しかったのは、4代目レガシィからレヴォーグの登場までに5年のタイムラグがあったこと。いろいろあったにせよ、レヴォーグの登場がもう少し早かったらなお良かったと思う。
サイズは同じ…でも受け皿とは言えない現行車たち
■トヨタ カローラ/全長4400×全幅1695mm
今でも5ナンバーサイズを守っていることは拍手モノで、現行モデルのサイズは昭和のファミリーカーだった9代目コロナ(全長4480×全幅1690mm)と同等と、そのあたりの車の受け皿にはピッタリのサイズだ。
しかし現行モデルは、1クラス下のヴィッツベースとなったこともあり、それまでのカローラが持っていた「値段に対するいいモノ感」のような良さを失い、内容の割に高いクルマになってしまった。
■日産 マーチ/全長3825×全幅1665mm
先代までの3世代のマーチは、シッカリとしたポリシーのあるコンパクトカーで、現行マーチもサイズ的には3代目パルサー(全長4030×全幅1640mm)の3ドアハッチバックあたりに近く、フィットのようにかつての大衆車クラスの受け皿としてサイズだけは合致する。
しかし、いかんせん現行マーチの質は、現代のコンパクトカーの水準に達しておらず、「安っぽい割に総合的に考えたら安くない」という車だ。
■日産 ティアナ/全長4880×全幅1830mm
現行ティアナのサイズは、初代フーガ(全長4840×全幅1795mm)に近く、現行フーガのサイズを持て余すユーザーにとって悪くない受け皿だ。
しかし、ティアナの初代と2代目は、インテリアや伸びやかなスタイルといった魅力もあったのだが、現行モデルは特徴を見つけるのが難しい、ただ大きいセダンになってしまった。
FFラージセダンなら「いっそアメリカで売っているスポーティなマキシマをティアナにすればよかったのに」とも思う。
◆ ◆ ◆
車の肥大化は道路事情の良くない日本ではあまり歓迎できることではないが、「シビックの代わりにフィットがある」というように、既存ユーザーの受け皿になっている車もある。
そのうえで考えたいのは「車名」について。かつてと同じ車名のままでいるから「俺の知っていたシビックはこんなに大きくない!」となってしまうわけで、今のシビックは、シビックという車名でなくてもよいのではと思う。
車は時代に合わせて変わってゆくもの。それによってサイズや特徴が変わったなら、同じ車名にこだわる必然性はないのでは?
車名が変わったとしても、その車の「価値」が下がるわけではないのだから。
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