■グローバル戦略で鍛えられたスズキの実力
ひとつ考えられる理由として、スズキのグローバル戦略の特殊性——インドをはじめとする途上国市場が中心——はあるかもしれない。
スズキは2014年のアルトから導入された“ハーテクト”というシリーズで、軽からA/Bセグメントまでをカバーするプラットフォーム戦略を採用した。
このハーテクトでユニークなのは、衝突安全性と同時に軽量化を重視していること。先進国市場ではNCAPで5ツ星、途上国では軽く燃費のいいクルマ造り、どちらも土曜に大事というメッセージを感じるのだ。
じっさい、ハーテクトで造られたスズキのクルマはどれもライバルより軽量で、燃費もハンドリングも有利。最近の流行りで言えばライフサイクルアセスメント(LCA)から見た環境負荷も小さい。
スズキの軽量化技術はアルミやカーボンなど高価な材料置換に頼らず、車体構造の見直しや衝突エネルギーの伝達経路改善などで実現している。であれば、コスト的にも有利な部分があるのかもしれない。
まぁ、自動車メーカーのコスト構造なんて、本当のところは経営中枢にいる人しかわからないものではあるが、価格競争の厳しいマーケットで長年鍛えられたスズキのコスト競争力が世界トップレベル。あのトヨタですら、その点ではスズキに一目置いている。
願わくば、スズキには今後もスイスポみたいな走って楽しくコパ最高なクルマを造り続けてもらいたいものでごいますね。
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