■可愛いワンちゃんの“アレ”を外にブラ下げる
BC:街中で、リアワイパーにビニール袋を引っかけて走行しているクルマをよく見かけますよね。
国沢:確かにリアワイパーとかに、ビニール袋をブラ下げて走っているクルマを見かけるよね。何が入っているか? 当然のことながら大切なモノじゃないことは容易に想像できる。落ちる可能性大きいからね。基本的に車内だと臭うようなゴミ。もう少し絞って考えれば、大半は犬の排泄物である。
BC:犬の排泄物をブラ下げるいただけない行為は、合法なんでしょうか?
国沢:結論から言えば、後部に袋をブラ下げて走る行為自体が道交法違反です。具体的には「乗車又は積載の方法」を定めている第55条の違反で「乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない」に引っかかる(違反点数1点、反則金6000円)。
つまりいつ落下するかわからないような不安定な方法で“モノ”をクルマに積んではいけないのだ。こう言うと「第55条は重くて危険な物体を想定している」と言う人もいるかもしれない。果たして犬の排泄物に危険性はないのか?
BC:いや、万が一を考えれば「危険性がある」ですよね……。
国沢:そう考えてもらいたい。人間の排泄物であっても、感染症などに罹っていたら、撒き散らすことで大量の罹患者を出してしまう。大腸菌の塊といえる排泄物を広範囲に撒き散らす可能性があれば、その物体は好ましくない。
BC:「落ちたら落ちたでよかった」と考えている積み方であれば、なおさら悪質ですね。
国沢:もうひとつ。走行中のクルマからゴミを投げる行為も、道路において進行中の車両から物件を投げることを禁止している「道路交通法 第76条第4項第5号」の違反になり、5万円以下の罰金。
また、落とした結果、ほかの車両や人に危害を加えた場合は、刑法犯となることもある。
実際、ゴミの投げ捨てをした車両が警察に通報され、道路交通法違反ではなく刑法犯として逮捕されたケースも少なくない。
仮に犬の排泄物を入れた袋が落ちて、それをドライブレコーダーなどで記録されていたら逮捕される可能性もある(捨てるという行為をしなくても、落ちることは容易に想像できるから)。
それ以前の問題として、前を走るクルマに犬の排泄物入りであろう袋がブラ下がっており、いつ落ちるかわからない状況なら、落ち着いて運転ができないと思う。あまりにも大きい袋であれば、落ちた時の影響も見過ごせない規模になる。
BC:そんな時はどうすることがベストですか?
国沢:このような行為を見かけた時は、ドライブレコーダーで記録しておき、警察に通報することを考えるべきだ。
■道路を疾走する山盛り雪乗せカー
国沢:大雪が降ると必ずルーフに雪を載せたクルマが走っている。百歩譲って少なければ落ちて散らばるだけで、水と大差ない。
しかし大型トラックやバスのルーフに載っている雪だと、落ちてくる量もハンパなし! バイクや自転車なら大けがをする可能性もあるし、コーナーで歩道に落ちてきたら最悪の場合、幼児などが居たら死亡事故になってしまう。
BC:山盛りで走っているクルマは、道路交通法上は違反にならないのでしょうか?
国沢:道交法上どうかとなれば、危険な状況であれば安全運転義務違反として取られる(乗用車の雪を少しずつ落とす程度ならマナー違反)。
長野県などのように、前出の道路交通法71条6号に基づいた県の規定で、雪載せ運転は違反が取り締まりの対象になる地域もある。とはいえ大型車の屋根に積もった雪を落とすとなれば、よい方法はなし。屋根に登るわけにもいかない。
ということで屋根に雪が載っている状況を確認したら、とりあえずなくなるまでユックリ走っていただきたい。
BC:抜本的な対策はなさそうですね……。
国沢:むしろ自衛をすすめておく。高速道路で雪の載った大型車を見たら、近寄らないこと。特に後ろは危険。凍った大きな雪塊だとフロントガラスが割れることだってある。その後ろを付いていくのはナンセンス。
はたまた街中で見かけた時も「落ちてくる可能性」を充分に考えておく。自分だけでなく、子供や家族とも情報を共有し、ツマらんケガをしないようにしていただきたい。
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