■エコノミー症候群防止……ではない足上げさん
BC:実は今年のオートサロン取材の帰り道、助手席のダッシュボードに足を乗せている、お行儀のよくない女性を見かけました。あの状態は違反にならないのでしょうか?
国沢:助手席の乗員がダッシュボードに足を上げるということは、足が左側ドアミラー視認の障害になるので、運転者が安全運転できる環境ではないということで安全運転義務違反を取られるかもしれない。違反点数は2点、反則金は9000円です。
ただ罰金以外にも、スンゴイことになるというね。とある自動車メーカーがOB(アウト&バッドな乗り方)でのシミュレーションをやったそうな。ワイドディスタンスで足を乗せていると、いわゆる「股割き」になるそうだ。
衝突の直後、助手席エアバッグが展開。足は文字どおり左右に激しく広がる。その時の衝撃力たるや、運がよくて股関節脱臼、残念な場合は骨折するそうだ。しかも上体の姿勢も悪いため、高い車速だと致命的なダメージを受ける可能性が大きいとか。
BC:もし友人や知人で行儀の悪い人がいたら教えてあげてもらいたいですね。
国沢:参考までに聞いてもらいたいが、エアバッグの直撃は全力で蹴ったサッカーボールを顔面で受けたくらいの激しさである。それでも事故の時はちょうどいいくらいなのだから、衝突時のエネルギー量にウナる。
クルマに乗る時はシートベルトを着装するだけでなく、座る姿勢もキチンと考えていただきたい。ちゃんとした姿勢で着装していない場合、座席ベルト装着義務違反(違反点数1点、反則金なし)を問われることもあるかもしれません。
■80km/hで縦横無尽に動き回るトラック
国沢:2017年11月1日10時から、新東名の『新静岡IC〜森掛川IC』約50kmの区間で、最高速度が100km/hに引き上げられた。
早速、同区間を走ってみたけれど、まず上下線とも、それぞれ110km/h区間のはじまる地点に『ここから規制速度試行区間』という標識や自光式の速度表示が出てくる。
事前情報によれば、この区間に限り制限速度が80㎞/hとなっている大型車などは、第1通行帯(一番左の車線)を走らなければならない、となっていた。
BC:警察のWebなどを見ると、「速度差に起因する事故を防止する」と書いてありますね。
国沢:追い越し車線に80km/hの大型車が飛び出してきたら危険だからね。この手の規制は世界の常識であり、100%賛同したい。
BC:大型車の追い抜きを禁止する旨の標識などは設置されていたんでしょうか?
国沢:まったくなし。制限速度表示が『110』という数字になっているだけだった。じゃあ、大型トラックはどう走るのか? 走行中に見た限り、大型トラックは見事に「100km/h区間と同じ」走行だった。
すなわち、本来なら大型車の走行が禁止されている3車線区間の追い越し車線でも、堂々とノロノロ走行を続けていたのだ。
11月4日(土)の夕方に再び『新静岡IC〜森掛川IC』下り車線を走行した時は、試行区間の大半で110km/hなど出せなかったほど。でも、警察は見事に何の啓蒙活動もしていなかった。何のための110km/h制限なのか理解できなかったよね。
乗用車側からすれば、110km/hが出せると思っている。大型車が道交法を守らず延々と追い越し車線を走る状況に多くの人は怒っているらしく、車間距離を詰めるドライバーも少なくなかった。
違反を黙認する警察の姿勢に疑問を感じた次第だ。このままだとかなり危険、標識も出すべきだろう。
BC:新東名に来て流していたら、ネズミ捕りより点数稼ぎやすそうですね……。
国沢:制限速度は本来なら誰でも守れる速度に設定することが大切。いろんな意味で制限速度の適正化は望ましいと思った。
そして『交通の安全と円滑な流れ』を確保するため大型車両の「追い越し車線居座りノロノロ走行」の取り締まりも行うべきである。
繰り返すが、大型車両の第3通行帯走行は道交法違反(違反点数1点、反則金:大型トレーラ7000円)の立派な違反なのでご注意を!
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