「密」にならずに移動できる旅のスタイルとして、いま車中泊が注目を集めている! 人と会うことを最小限に抑え、自分の空間で移動できるのが大きなポイント。
しかし、いざ車中泊をしようと思っても、何が必要で、どこですればいいのかわからない……。今回はそんな車中泊デビューを考えている皆さんのために、まずは知っておきたい車中泊の基本を紹介しよう。
文/大橋保之(カーネル)
写真/カーネル
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■快眠するためにはアイテムと場所選びが重要
「車中泊ってシートを倒して寝るだけ?」なんて考えている人も多いことだろう。シートを倒して目を閉じれば、確かに「とりあえず」眠ることはできる。しかし、それでは快眠することは難しい。
そこで重要となるのが、より快適に車中泊をするためのアイテムや場所選びだ。今回は、特に「寝床づくり」のための三種の神器、そして安心して眠ることができる「車中泊地の選び方」を紹介したい。
■「足が伸ばせて幅は50cm以上」が目安
車中泊を成功させる最初のステップは、快適な寝床づくりにある。一般車で快眠するための最初のポイントは「足を伸ばして寝られるか?」、そして「ひとり分のスペースの幅が50cm以上あるか?」寝床がフラットになっても、足を伸ばして寝られなければ快眠は厳しい。上記の2点をクリアしたうえで、フラットかつ柔らかな寝床づくりを目指してほしい。
■「車中泊・三種の神器」であるマットは厚めをチョイス
では、凹凸なシートやラゲッジで寝るにはどうするか? まず揃えたいアイテムとして紹介するのが、我々が「車中泊・三種の神器」のひとつとしてお勧めしている「マット」だ。
薄手のタイプよりも、10cm以上の厚みのあるマットを選ぶこと。多少の凹凸を吸収してくれるだけでなく、ラゲッジで寝る場合は床の硬さも解消してくれる。冬場は床からの冷えを遮る、断熱の役割も期待できる。
また、寝床を水平にしてリラックスできる態勢で就寝することは、エコノミークラス症候群の予防にもつながる。特にシート就寝では膝を下に曲げずに、できるだけ足を心臓の高さまで上げて寝ることが大切。足元に空いたスペースができる場合は、荷物やクッションなどを置いて「足置き」をつくりたい。
■寝具は寝袋か? 布団か?
車中泊の寝具も悩むポイントのひとつ。足が伸ばせてフラットになる寝床ならば、いつも寝ている布団のほうが快眠できる可能性は高い。しかし、布団を車内で使用する際に困るポイントは収納だ。
そこで、「車中泊・三種の神器」として次におすすめしたいのが、アウトドアで使用する「寝袋」だ。
使用温度域にあわせて各種発売されているので、シーズンによって変更も可能。コンディションが自宅よりも過酷にならざる得ない車中泊には、やはり寝袋がベターといえる。
■窓をふさぐシェードも「車中泊・三種の神器」のひとつ
快眠するために「体をリラックス」させるのがマットならば、「心をリラックス」させるのは、窓をふさぐ「シェード」だろう。
車中泊で使用するシェードは、窓の目隠しをするアイテムで、今回おすすめする「車中泊・三種の神器」のひとつ。現在では車種の形状に合わせた専用の市販品も販売されており、なかには断熱効果の高い高性能なものもある。さらに、量販店などで手に入る銀マットでDIYすることも可能。
シェードは無防備な睡眠中に、車外からの視線を遮ることができ、安心・安全なプライベート空間をつくることができる。カーテンの装着も同様の効果を得ることができるが、本格的なカーテンは車体に加工が必要となることが多い。
■車中泊をしてもいい場所、いけない場所
「クルマで寝るだけなので、どこでもいい」と思いがちだが、じつはそうではない。そもそも道の路肩や私有地は論外。では駐車場ならどこでも問題ないかというと、そうではない。代表的な車中泊スポットとしては、道の駅、高速道路のSAPA(サービスエリア・パーキングエリア)、オートキャンプ場、RVパークなどが挙げられる。
一般的な公園や公共の駐車場でも車中泊が可能な場所もある。しかし、それぞれの駐車場を管理する企業や団体が個別に判断していることが多い。WEBサイトや現地の看板などに明記されていない場合は、ぜひとも一度確認してほしい。
では、車中泊が許可されている場所といえば? 上記のなかではオートキャンプ場とRVパークだろう。特にRVパークは、車中泊専用駐車場として日本RV協会が認定したスポットで、現在では約180カ所に増加。さらにRVパーク以外にも、多くの車中泊専用駐車場が増えてきており、今後もさらに充実していくことが予想される。
では、馴染みの深い道の駅や高速道路のSAPAはどうか? もちろん。これらの施設はドライバーが休息するための施設。疲れを癒す仮眠などの車中泊をすることはできる。ただし、オートキャンプ場やRVパークとは異なり、駐車スペース内であってもイスや机を出すことは禁じられている。焚き火やBBQ、テントの使用などはもってのほか!
キャンプ行為と車中泊は似ているが、しっかりと区別しなければいけないもの。道の駅やSAPAでのマナー違反が、現在大きな問題になっているので、これから車中泊を始める人は、ぜひとも注意してほしい。
■駐車位置によっても快適さは変わる!
車中泊を行う駐車場も決定し、寝床をフラットにして、目隠しも万全。これで車中泊は完璧! というわけではない。車中泊を行う駐車環境も、いろいろとチェックすべきポイントがある。もっとも大きな注意点は「傾斜していないか」。シートを水平にしても、駐車スペースが傾いていたら意味がない。
また、同じ施設内の駐車場でも、クルマ通りが多い場所では走行音が気になる人も多い。暗い場所は犯罪やトラブルに巻き込まれやすく、防犯上あまりおすすめできない。人も静けさも、どちらも「ほどほど」な場所を選びたい。
■季節によって変わる車中泊の注意点
車中泊で問題なのは冬と夏! まず冬対策としては「冷え込み」「凍結」「積雪」などが挙げられる。凍結した路面では転倒に注意する。そして冷え込みに関しては、先に紹介したシェードの装着が効果的。そもそもアイドリングストップが車中泊の原則。寒い車内でも過ごせるような保温着は必須アイテムといえる。できればアウトドア用の高機能かつコンパクトになるものを選びたい。
最後は積雪。車中泊する夜に雪が降り続けている場合は、車中泊をあきらめて予定変更すること。動けなくなる前に早めに決断をする。命の危険を感じた時は、迷うことなく建物などの安全地帯へ避難してほしい。
万が一、アイドリングストップでは耐えられないほど冷え込み、命にかかわる場合は、エンジンをオンにしてエアコンを使用する選択肢もある。
しかし、これも降雪時もしくは降雪の予報が出ている場合は、絶対にNG。積もった雪がマフラーを防ぎ、排気ガスが逆流して一酸化炭素中毒になる危険性があるからだ。最近の天気予報はかなり高確率。「大寒波」とか「数年に一度の大雪」という言葉を聞いたら、計画変更&避難にシフトすること。
■最大の難関ともいえる夏の過ごし方
冬は、上記で紹介したような対策で対応できる。だが、夏の暑さ対策は難しい。対処法としては、もはや標高を上げるか、日本では北へ行くしかない。気温は標高100m上がるごとに、0.6℃下がる。つまり標高0m地点で最低気温26℃の熱帯夜だった場合、標高1000mなら20℃になる。これなら車中泊でも快適に過ごせるはず。
■ゲリラ豪雨や台風、猛暑日には無理をしない
近年、地球規模で異常気象と叫ばれて久しい。猛暑日やゲリラ豪雨、大型台風といった言葉がメディアを賑わすことが増えた。
車中泊時に暑くて命にかかわる場合は、アイドリングストップにこだわらず、エンジンをオンにしてエアコンを使用してほしい。まずは命が最優先。さらに付け加えるならば、そもそも先に書いたゲリラ豪雨や大型台風、猛暑日が報じられた場合は、迷うことなく計画変更。冬の積雪時同様に、早々に判断して安全な場所に避難すること。
■新型コロナウイルスの準備もお忘れなく!
いくら人と会う機会や時間が少ない車中泊とはいえ、慢心してはいけない。立ち寄ったSAPAや道の駅、コンビニなどで新型コロナウイルスに感染する可能性はゼロではない。車内にはマスクの予備と除菌アイテムを準備。車外を歩く時のマスク着用や、乗車前後の除菌と手洗いは徹底したい。
そもそも車中泊のクルマ旅ならば、オフピークの移動と穴場の訪問ができるはず。いまこそ、車中泊を活用したクルマ旅の新しいスタイルを楽しむ時なのかもしれない。
ここで紹介したのは車中泊の基本の一部。さらに興味のある人は、ぜひとも車中泊とアウトドアのWEBメディア『SOTOBIRA(ソトビラ)』、もしくは車中泊を楽しむ雑誌『カーネル』を要チェック!












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