もう買えないのかS660 Modulo X!! いつかまた逢う日まで 最新にして最高の“ホンダS”の系譜と走る

■Modulo Xと標準車を今一度比較して試す

特別色となるソニックグレーパールのほか、パールホワイトも選択可能だ
特別色となるソニックグレーパールのほか、パールホワイトも選択可能だ

 試乗会ではノーマル状態のα、純正オプションパーツを装着したα、ModuloXバージョンZの順で試すことができ、それぞれの印象をお伝えすると

●ノーマル状態のα
 軽自動車ながらサーキットでも全体的に怖さをまったく感じることなく、安心感に溢れる中で、サーキットだと動力性能不足は否めないものの、動力性能不足を逆手に取ったアクセル全開率の高さという観点で楽しめるというS660の楽しさを再認識。

 ただ、サーキットだと「もう少しシッカリしたサスペンションが欲しい」と感じたのも事実だった。

●純正オプションパーツを装着したα
 この仕様は形状こそModuloX系と異なるものの、ModuloX系と同じコンセプトで開発されたフロントバンパー、ModuloX系と同形状のリアバンパー、ガーニーフラップのないアクティブスポイラー、ダンパーの減衰力調整機能がない以外ModuloX系と同じサスペンションキット、ModuloX系と共通のブレーキ関係パーツを装備していた。

 乗ってみるとサスペンションキットとエアロパーツの装着によるスタビリティや回頭性の明確な向上が感じられると同時に、ノーマルでもスポーツカーらしい剛性感を持つブレーキがよりガッシリとしたフィーリングになったことにより安心感も増しており、まとめると「楽に速く楽しく走れる」という印象だった。

 この点はワインディングロードや高速道路を流すといった走り方をしても同様で、かつサーキットの縁石を踏んだ際の収まりもノーマルよりいいので、公道で乗り心地もノーマルより良さそうと、より質の高い走りをいつでも味わえるだろう。

●ModuloXバージョンZ
 ModuloXバージョンZは純正オプションパーツを装着したαに対する走りの面での違いは、ダンパーの減衰力はModuloX系の一番堅い5番(サーキット向け)がオプションのサスペンションキットと同等のため5番で走行したので、大きな違いはフロントバンパーの形状とアクティブスポイラーに付くガーニーフラップという空力関係だけという状態だった。

 ModuloXバージョンZはフロントバンパーの違いによるものなのか回頭性がよりシャープになっているのに加え、アクティブスポイラーに付くガーニーフラップによりスタビリティも向上しているようだった。

 純正オプションパーツを装着したαに対しサーキットならタイムアップと「同じ速さで走るならより楽」というアドバンテージを持つ。それだけにベストなS660はやはりバージョンZを含めたModuloX系というのが結論だ。

 ただ、クルマが良くなっているだけにモアパワーが欲しくなる度合いが一番強かったのがModuloXバージョンZというのも事実だ。

■S660を買うならどれがいい?

完成されたS660が欲しい、失敗のないカスタマイズがしたいという人はModuloXがおすすめだ
完成されたS660が欲しい、失敗のないカスタマイズがしたいという人はModuloXがおすすめだ

 方向性としては予算もあるにせよ、自分好みにカスタマイズしていくという人なら装備内容や選択できるボディカラーを考えながら標準系のβかαというのがいいだろう。

 一方で「完成されたS660が欲しい」、「カスタマイズはしたいけど、失敗はしたくない」という人であれば、この際300万円オーバーの価格は気にせずにModuloX系の好みに合う方を勧める。

 なお純正オプションパーツに関しては試乗したパーツ装着車のようにテンコ盛りとすると、実売価格もあるにせよ定価だとModuloX系と変わらない価格になるので、欲しいパーツが多いならはじめからModuloX系を選ぶか、ほどほどの範囲とした方がいいだろう。

次ページは : ■まとめ

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