■今後、ミニキャブMiEVは復活する?
ミニキャブMiEVは、バン、トラックともに生産を終えたが、それは今後の発展を前提にした一時的な中断と考えるべきだろう。ミニキャブMiEVとミニキャブMiEVトラックは、軽商用車と電気自動車の相性が良いことを具体的な機能で示したからだ。
従来のミニキャブMiEVのリチウムイオン電池容量は、前述のとおり16kWhに留まり、1回の充電で走行できる距離もJC08モードで150kmと短かった。今後は電池容量をもう少し拡大させると、外出先での電力消費量も増やすことが可能になる。
三菱の「2020-2022年度中期経営計画」によると、2022年度以降には、軽自動車サイズの電気自動車が計画されている。三菱と日産が共同開発する乗用車だが、ミニキャブMiEVの再来となるような車内の広い派生車種が登場する可能性もある。
特にこれからは厳しい燃費規制が実施され、軽自動車もフルハイブリッドや電気自動車を豊富に設定する可能性が高い。そうなると今のガソリンエンジンを搭載するミニキャブは、トラックを含めてスズキ製のOEM車だが、将来は日産やダイハツまで含めて共通の電気自動車プラットフォームを開発するかも知れない。今はスズキとトヨタも提携を結んでいるから、ホンダを除く7メーカーは、すでに繋がりを持っている。
ミニキャブMiEVの生産台数は多くないが、量産型の軽商用電気自動車という点で、貴重な先駆けとなった。その功績を改めて実感する時が、必ず訪れるだろう。
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