甦れ日産!! 販売台数5位転落で輝きを失った!? 日産の日本市場がパッとしないわけとは

■ルノーができることを日産もやればいい

 何が言いたいのかといえば、「儲けやすいグローバル市場にばかり目を向けて、国内市場を死守する努力が足りなかったのでは?」ということ。何のことはない、日産が落とした分をその他のメーカーが蚕食した結果が、今日の国内市場のシェア比率。

 かつての栄光を取り戻すガッツはないのか? そこにもどかしさを感じるのだ。

 国内市場における日産のプレゼンス回復は容易なことじゃないが、誰もが指摘するのは「フラッグシップモデル不在はさすがにマズイのでは?」という問題だ。

 GT-RとフェアレディZのモデルチェンジ計画が見えてこない中で、仮にこの2車がそのままフェイドアウトしてしまったら、日産ブランドを代表するアイコンはどうなるのだろう?

 たとえば、北米市場では400psを誇る3LV6ツインターボ(VR30DETT)搭載のスカイライン(インフィニティQ50)が販売されている。

 個人的にはこのエンジンを活かした時期スポーツモデルを開発する計画くらいあってもしかるべきだと思うが、いまの日産はコンセプトカーでも電動車両が優先課題。

北米にはセントラ・ニスモという面白いセダンがある。1.6Lターボを6MTで駆る。2万6000ドル(約280万円)ほどだが、このようなクルマが日本市場にはない
北米にはセントラ・ニスモという面白いセダンがある。1.6Lターボを6MTで駆る。2万6000ドル(約280万円)ほどだが、このようなクルマが日本市場にはない

 つい先日の北京ショーでも、インフィンティQインスピレーションやシルフィ・ゼロエミッションなどEVが主役だった。

 この電動化戦略、グローバルマーケティングとしては順当なのだろうが、はたして日本のユーザーに響くかどうか……。純EVのリーフやe-POWERシリーズには光が当たるが、それ以外の日産車がますます霞んでしまうように思えてならない。

 ひるがえって親会社のルノーを見ると、メガーヌやクリオ(=ルーテシア)のルノースポール仕様が相変わらず元気だし、待望のアルピーヌA110も復活している。くわえて、モータースポーツではF1が上り調子。

 地元ヨーロッパのクルマ好きに向けてルノーブランドを際立たせるための活動は、とても日産の及ぶところではない。経営の主導権があるのをいいことに、ルノーは美味しいところを独り占めしてないか?

ルーテシア・RSなど非常におもしろいクルマを作るルノー。F1を主軸にスポーツイメージを展開するのは上手い
メガーヌ・RSなど非常におもしろいクルマを作るルノー。F1を主軸にしつつも「手が届く」スポーツイメージを展開するのが上手い

 そんな疑念すら湧いてくるほど、なんだか楽しくクルマ造りをエンジョイしているように見える。

 ここ最近、フランス政府の経営への介入問題に端を発して、ルノーと日産の資本関係見直しが経営課題として上がってきているが、それが日産を元気にする効果があるのなら、ぜひとも前進させて欲しい。

 日産に足りないのは、ルノーの連中がやってるような「自分が欲しくなるようなクルマを造る」というエンジョイ精神。

 それは、日産の経営の独立性を高めないと、なかなか生まれてこないことのように思えるんだよねぇ。

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!