■ルノーができることを日産もやればいい
何が言いたいのかといえば、「儲けやすいグローバル市場にばかり目を向けて、国内市場を死守する努力が足りなかったのでは?」ということ。何のことはない、日産が落とした分をその他のメーカーが蚕食した結果が、今日の国内市場のシェア比率。
かつての栄光を取り戻すガッツはないのか? そこにもどかしさを感じるのだ。
国内市場における日産のプレゼンス回復は容易なことじゃないが、誰もが指摘するのは「フラッグシップモデル不在はさすがにマズイのでは?」という問題だ。
GT-RとフェアレディZのモデルチェンジ計画が見えてこない中で、仮にこの2車がそのままフェイドアウトしてしまったら、日産ブランドを代表するアイコンはどうなるのだろう?
たとえば、北米市場では400psを誇る3LV6ツインターボ(VR30DETT)搭載のスカイライン(インフィニティQ50)が販売されている。
個人的にはこのエンジンを活かした時期スポーツモデルを開発する計画くらいあってもしかるべきだと思うが、いまの日産はコンセプトカーでも電動車両が優先課題。
つい先日の北京ショーでも、インフィンティQインスピレーションやシルフィ・ゼロエミッションなどEVが主役だった。
この電動化戦略、グローバルマーケティングとしては順当なのだろうが、はたして日本のユーザーに響くかどうか……。純EVのリーフやe-POWERシリーズには光が当たるが、それ以外の日産車がますます霞んでしまうように思えてならない。
ひるがえって親会社のルノーを見ると、メガーヌやクリオ(=ルーテシア)のルノースポール仕様が相変わらず元気だし、待望のアルピーヌA110も復活している。くわえて、モータースポーツではF1が上り調子。
地元ヨーロッパのクルマ好きに向けてルノーブランドを際立たせるための活動は、とても日産の及ぶところではない。経営の主導権があるのをいいことに、ルノーは美味しいところを独り占めしてないか?
そんな疑念すら湧いてくるほど、なんだか楽しくクルマ造りをエンジョイしているように見える。
ここ最近、フランス政府の経営への介入問題に端を発して、ルノーと日産の資本関係見直しが経営課題として上がってきているが、それが日産を元気にする効果があるのなら、ぜひとも前進させて欲しい。
日産に足りないのは、ルノーの連中がやってるような「自分が欲しくなるようなクルマを造る」というエンジョイ精神。
それは、日産の経営の独立性を高めないと、なかなか生まれてこないことのように思えるんだよねぇ。
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