最近のスポーツモデル、昔に比べたら乗り心地が良くなっている。
先日試乗したばかりの新型BMW M4コンペティション、マイナーチェンジしたレクサス IS Fスポーツ、マツダ ロードスター、GT-R。挙げたらきりがないほど。それほどスポーツモデルの乗り心地が進化し良くなっている。
昔は乗り心地など二の次で、とにかくコーナーで踏ん張ればよい、という乗り味のスポーツモデルばかりだった。どうしてか? なぜ良くなったのだろうか? を考えてみたいと思うのです。
文/松田秀士 写真/RENAULT、HONDA、編集部、NISSAN
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■ひと昔前の国産スポーツはなぜ乗り心地が悪かった?
まず、国産スポーツカーはサーキットでタイムが出ることが命だった。そのため足を固めた。日本のサーキットは高低差も少なく路面が比較的フラットだったのでそれでも良かった。
しかし、欧州車がニュルを舞台に開発を進め、サスペンションのストローク量が必要になり、その結果乗り心地も良くなっていったのだ。
我々レーシングドライバーは、フラットサーフェースなサーキット路面でも、時折出くわすギャップに足を取られアクセルを戻すような乗り心地のサスペンションには当時から閉口していた。
硬すぎると跳ねる、タイヤグリップ低下を招く。なによりも硬いサスはタイヤのグリップ低下(タれる)が早い。といったデメリットがある。だから、特にダンパーのリバンプ(伸びる側)は、ソフトにセットしたりしていた。
それどういうことですか? となる読者の方も多いことと思う。乗り心地の改善にはただサスペンションを柔らかくすれば良い、というものではないのだ。サスの伸び縮みによるホイールトラベル。これをマネージメントしなくていけないのだ。
例えば凸になった路面を通過するとしよう。
凸にタイヤが乗ると速度によるがタイヤを(後ろ)方向に押す力と(押し上げる)方向への力がかかる。
(後ろ)方向は、サスの取り付け位置とゴムブッシュ類の硬柔度やキャラクターによる。ソフトにすれば衝撃は和らぐがハンドリングに影響する。(押し上げる)方向は、おおまかにスプリング&ダンパーの性能だ。
他にもサブフレームやアクスルキャリアのブッシュ(M4はブッシュなしのボディ直付け)などがあるが、このあたりは省いて説明する。
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