これが最後!? ルノー「メガーヌR.S.」純ガソリンFF最速ホットハッチの魅力と今後


 こんなホットハッチは最後かもしれない!? ルノー メガーヌR.S改良モデルは、「走って楽しい」最後の最強ホットハッチに!?

 2021年3月4日、メガーヌ ルノー・スポール(R.S.)の改良モデルが発売された。メガーヌR.S.といえば、ご存じのとおり、独ニュルブルクリンクのFF量産車最速の称号も持つ当代きってのホットハッチ。ホンダのシビックタイプRと並んで世界最高峰の実力を持つが、その最新モデルの実力や如何に!?

 環境規制強まるなか、このクルマは、まさに性能面でも、楽しさでも最良な純ガソリンホットハッチの最終形態かもしれない。

文/松田秀士 写真/池之平昌信

【画像ギャラリー】本稿未掲載写真あり!! ルノーメガーヌR.S改良モデル厳選写真 25枚


メガーヌR.S.のようなホットハッチはこれが最後?

ルノーメガーヌR.S.(全長4410×全幅1875×全高1465mm/価格:464万円)

 メガーヌR.S.は、ルノーにとって最後のFFホットハッチとなるかもしれない? 欧州を含めて日本もCO2削減をテーマにEVシフト(電動化)の波が押し寄せてきているのはご存じのとおり。その根底にあるのがCAFE(Corporate Average Fuel Efficiency)=企業別平均燃費基準というもの。

 例えば、ルノーだったらルノー全体が販売する(国別)車両の平均燃費を算出して基準をクリアすることを目標としている。違反、つまり基準を超過すればペナルティ(罰金)が発生する。

 その額は数十億円とも言われていて、これはバカにできない。このため各メーカーはこぞってEVを販売し、平均燃費を下げる努力をしているのだ。

 欧州や北米産EVが最近目立っているのにはこのようなワケがあるのです。今やフェラーリまでもが純エンジンだけのフェラーリはなくなる、というほど。

 つまり、とりあえずEVを出しておけば(売れないと意味ありませんが)平均燃費を下げることができ、基準をクリアできなかったとしても支払うクレジットを下げられる。

 このCAFE規制は欧州が先行していて各国が時間差でこれに追随するものと見られている。つまり欧州CAFEが世界のデフォルトになる可能性が高いのだ。

 まぁEVだってエネルギーの電力を自然エネルギーや原発だけでまかなえればカーボンニュートラルだけれど、そんな国はノルウェーぐらいかな? 日本はぜんぜんダメ。(屋久島は別としてね)

 さらにEVのバッテリーを製造するときに出るCO2はハンパないから、これもノルウェーで製造すればのハナシ。CAFEそのものの考え方に問題もあるように思える。

CAFE規制、CO2排出量削減などの環境への対策がなされていくなか、メガーヌR.S.のようなホットハッチの製造は厳しくなってくる

 今後はLCA(ライフサイクルアセスメント)という、製造からスクラップまでのCO2排出量を基準とすることになるようだけれど、とりあえず今はこのCAFEだ。

 つまり何が言いたいかというと、コンパクトカーは、排気量も小さくクルマも軽いので燃費が良い。台数も出るので平均燃費を下げるのにフォロー。かといってメガーヌのようなCセグメントのクラスになると台数もそこそこ売れる。

 CO2排出量を下げるためには排気量を小さくし、エコなモデルに仕上げるしかない。マイルドハイブリッドという手もあるが、得られるCO2削減効果はわずかなのだそうだ。

 そう! つまりメガーヌR.S.のようなホットバージョンは、もうこれが最後なのかもしれない。ということで、ターンパイクで開催されたマイチェン試乗会に行ってきたので、その報告レポートです。

ベーシックなメガーヌR.Sもエンジンはハイスペック仕様に!

今回、ルノーメガーヌR.S.を試乗。今回の改良でエンジン最高出力が280psから300psへとなった(WTLCモード:11.8km/L)

 試乗会場にはメガーヌR.S.トロフィーも用意されていたのですが、試乗したのはメガーヌR.S.。今回の主な変更点を列記します。

・エンジンがRSトロフィーと同じ300psになった。
・静かと喧騒をチョイスできるアクティブバルブ付きのエクゾースト
・ナッパレザー/アルカンターラステアリング
・ACC(アクティブクルーズコントロール)ストップ&ゴー機能付き
・歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキ
・交通標識認識機能
・LEDヘッドライト、リアLEDランプ
・リアウィンカー表示シーケンシャル化

 まずやはりエンジンです。これまで280psだったメガーヌR.S.のエンジンがトロフィーと同じモノに統一され300psに。これはターボの過給圧ですね。そのターボはセラミックコーティングされたボールベアリングを採用したツインスクロールタイプ。

 きっと過給圧チューンだから低速域はこれまでよりも弱いのでは? と想像したのですが、いやいや、ぜんぜんこっちの方が低速からリッチです。最大トルクは420Nmを3200rpmで発生。トランスミッションは湿式クラッチを持つ6速EDC(ツインクラッチ)。

ステアリングは、ナパレザーとアルカンタラといった高品質の素材を使った手触り、滑りにくさ、耐久性を兼ね備えたものになった

 ドライブモードはスポーツモードをセレクト。そしてシフトセレクトレバーを左に倒し、MTモードに。このシフトレバー操作によるMTモード切替えは今回から初採用。

 スポーツモードにしたとたんに排気音はレーシングな雑味たっぷりの、でもどこか整った完全燃焼をアピールするようなハーモニー。でも耳触りの良い音質だ。

 そこでパドルを引いてアップシフトによるギアチェンジの瞬間に超短で間髪されるパフッ!というノイズが心地良く、またスポーツ心をそそられる。昔、MTでのギアチェンジで意味もなく空ぶかししていた頃を思い出させる。

セーブモード、スポーツモード、レースモード、マイセンスモードの全部で4つのドライブモードがある。パドルシフトにより、瞬時にギアチェンジも可能

 さすがにシフトアップされた瞬間からブースト圧が瞬時に立ち上がる。そして7000rpmのレッドゾーン手前まで力強く回る。セラミックボールベアリングのレスポンスが軽い! そして左パドルを引いてのダウンシフト。スパン! とギアが落ちる。

 ツインクラッチだから当たり前だけど、その時の操作感とシフトノイズ。音といい、繋がり感といいドライバー心理を見抜く演出。

 ブレーキングとともに回転が下がるにつれ、パラパラパラパラ~とアフターファイヤーを連想させる排気音。もうとにかくシフト操作しないとやってられない。楽しくて仕方がないです。

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