転機となった4代目と新生ライバルとの違い
モデルチェンジのたびに進化し続けてきたフォレスターは、時代の要請に合わせ、4代目のときに大きく舵を切る。デザインはキープコンセプトだったが、メカニズムを一新したのだ。
また、時代の一歩先をいく安全装備も積極的に盛り込んでいる。衝突安全は、北米でも日本でも総合評価で最高ランクを達成できる実力だ。リアルワールドでの安全性能を徹底追求し、先進安全装備もてんこ盛りである。その筆頭が、ステレオカメラを採用した運転支援システムの「アイサイト」だ。これによって新たなファン層の獲得に成功した。
パワートレインは伝統の水平対向4気筒DOHCだ。が、新世代のFB20型4気筒と「DIT」のニックネームを持つ直噴DOHCターボになった。トランスミッションの主役は、6段マニュアルモード付きリニアトロニック(CVT)である。
AWD技術では「Xモード」と名付けた四輪駆動の走行制御システムを加えた。サスペンションは伝統の四輪独立懸架だ。個性的なパワーユニットに基本性能の高いメカニズムを組み合わせたこともブランドネームを維持できた理由のひとつだろう。
ラギッド感の強いデザインは保守的と感じる。新たな挑戦者となったエクストレイルやマツダ CX-5などは、都会的ムードのデザインを採用し、パワートレインも個性的だ。
フォレスターは古典的なデザインのままだが、今では少数派となったから逆に目立つ。また、長く乗っても飽きないし、陳腐化しない。これもフォレスターが愛される理由のひとつにあげられる。
「ハズレのなさ」が老舗になれた理由
6月20日にデビューする5代目フォレスターは、ターボが消滅し、新たにハイブリッド車を加えた。エンジンはクリーンになり、ドライバビリティも燃費も向上する見込み(編注:HVはJC08モード18.6km/L)。
新世代のスバルグローバルプラットフォームを採用し、ボディ剛性は高いし、足の動きもいい。だからフットワークとハンドリング性能も大幅にレベルアップしているだろう。
引き出しが多く、平均点の高いフォレスターは、ハズレがなかった。信念を曲げず、真摯な姿勢で成長を続けてきたから、フォレスターは老舗ブランドに成長したのである。
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