あれこれ欲張りすぎ!? 盛り込みすぎ!? いろいろやりすぎて迷走気味なクルマ3選

■3つのバリエーションがわからない!! ダイハツキャスト

 バリエーションを欲張って失敗したのがキャストだ。SUV風のキャストアクティバ、メッキパーツを多用する都会的なキャストスタイル、ターボエンジンのみを搭載したキャストスポーツを設けた。

 1車種を開発するだけで、3車種に相当するユーザーをカバーできるハズだったが、共倒れになってしまった。2015年9月の発売時点では、キャストを1か月に5000台売る目標を立てたが、2017年の実績は平均3795台だ。

 ライバル車となるスズキハスラーの6050台に比べると、63%にとどまる。キャストは3つの個性を設けたことで、車種のイメージが分散された。

キャストのイメージが3つに分散されたことは悪影響もあるという
キャストのイメージが3つに分散されたことは悪影響もあるという

 運転感覚にも疑問がある。キャストスタイルは都会的で上質な車種なのに、操舵に対する反応が妙に過敏で、乗り心地は硬い。足まわりと15インチタイヤ(165/55R15)をムーヴカスタムRSから流用したためだ。

 このようにキャストの機能は中途半端で、失敗を恐れて中庸に仕上げたい開発意図も透けて見えてしまう。軽自動車は日本のユーザーに向けて開発されるカテゴリーだから、本気度が乏しい車種は、簡単にバレてしまうのだ。

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