消えゆくオデッセイがアルファードに勝る機能 販売は約5倍差でも実力は負けてない!?

■クルマとしての基本性能もオデッセイの優位点

オデッセイは着座位置が低いので左側面の死角が小さい。運転しやすさはオデッセイに軍配が上がる
オデッセイは着座位置が低いので左側面の死角が小さい。運転しやすさはオデッセイに軍配が上がる

・オデッセイが勝る機能【4】:視界と運転のしやすさ
 オデッセイの全長は4855mm、全幅は1820mmだ。アルファードは売れ筋のエアロパーツ装着車の全長が4950mm、全幅は1850mmだから少し大きい。最小回転半径もオデッセイは5.4mだが、アルファードは5.6~5.8mに達する。

 そしてオデッセイは、床の高さと併せて着座位置も低めだから、左側面の死角が小さい。アルファードは高い位置に座るため、遠方が見やすい代わりに、ボディ左側の死角は拡大しやすい。狭い裏道や駐車場では、オデッセイが運転しやすい。

・オデッセイが勝る機能【5】:走行安定性
 オデッセイのメリットとして、特に注目されるのが走行安定性だ。峠道を走る時でも操舵に対する反応の鈍さを感じさせず、自然に回り込む。下り坂のカーブで危険を避ける時も、後輪がしっかりと踏ん張って挙動を乱しにくい。

 オデッセイはミニバンだから、運転感覚をスポーティに仕上げる必要はないが、危険回避時を含めて安定性は大切だ。そこを入念に造り込み、ミニバンというよりも背の高いワゴンの感覚で運転できる。

 アルファードも不安はないが、カーブを曲がる時には重心の高さとボディの重さを意識させる。操舵に対する反応も鈍めだ。オデッセイの全高は1695mm(2WD)だが、アルファードは1935~1950mmだから240mm以上も背が高い。前述の通り床の高さも100mm近く上まわり、重心が持ち上がった。

 車両重量も異なる。オデッセイに直列4気筒2.4Lノーマルエンジンを搭載した「アブソルート」は1820kgだが、アルファード「2.5S」は1960kgに達する(いずれも7人乗りの2WD)。このようにオデッセイは、アルファードに比べて重心が低く、車両重量も140kgほど軽い。そのために走行安定性が向上した。

 乗り心地は、直線の多い高速道路などを走る時にはアルファードが柔軟だが、峠道などでは左右方向の傾きが小さなオデッセイが快適に感じることもある。

■コストパフォーマンスでもオデッセイに美点

オデッセイは全高が低く重量も軽いため燃費性能にも優れる。オデッセイの全高の低さがまたしてもメリットとなった
オデッセイは全高が低く重量も軽いため燃費性能にも優れる。オデッセイの全高の低さがまたしてもメリットとなった

・オデッセイが勝る機能【6】:燃費性能
 オデッセイのWLTCモード燃費を2WDで見ると、2.4Lノーマルエンジンが12.4~12.8km/L、ハイブリッドのe:HEVは19.8~20.2km/Lになる。

 一方、アルファードは2.5Lノーマルエンジンが10.6~10.8km/L、V型6気筒3.5Lノーマルエンジンは9.9~10.2km/L、ハイブリッドは後輪をモーターで駆動する4WDを搭載して14.8km/Lだ。

 WLTCモード燃費を比較すると、全般的にオデッセイが優れている。アルファードに比べて背が低いから、空気抵抗が抑えられ、さらにボディも軽い。従って燃費でも有利になった。

・オデッセイが勝る機能【7】:価格の割安度
 2.4Lノーマルエンジンを搭載する「アブソルート」(7人乗りの2WD)の価格は358万3000円だ。2.5Lノーマルエンジンのアルファード「S」(7人乗りの2WD)は398万5000円になる。後者が約40万円高い。

 アルファードにはディスプレイオーディオなどが標準装着されて差が生じるが、機能や装備と価格のバランスで見ると、オデッセイが少し割安だ。短期間で売却すると、アルファードの条件が際立って良くなるが、10年以上使うならオデッセイがトクになる。

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