なぜガソリン車ではなく“ディーゼル”なのか
では、なぜガソリンではなくディーゼルなのか? その理由は圧倒的な燃費性能の高さ。そして、CO2排出量が少ないこと。NOX(窒素酸化物)やPMの処理は技術がどんどん進化している。
さらにディーゼルにはEVほどではないにしろ、エネルギーの多様性が将来的に見込めるのだ。自動車用の小型高速ディーゼルエンジンは軽油で走るけれども、船舶などの中型低速ディーゼルエンジンは軽油よりも燃えにくいA~C重油という燃料で動く。
つまり、ディーゼルエンジンは燃えにくいものを燃やして動力にすることができるのだ。例えば食用油も。揚げ物をたくさん作る会社から廃油を購入して精製しディーゼル用の燃料を作る。
他にも将来的には、先に挙げた自然エネルギーによって発電し水素を作る。電気は蓄電することが難しくすぐに消費しなければならないが、水素という形で保存し、その水素から合成燃料を作り出す研究も進められているのだ。エネルギーの多様化はビジネスチャンスも生むわけで、経済活動にも好影響だ。
ま、話がどんどん未来的になって行ってしまったが、欧州に比べて日本の場合、まだまだガソリン車が多いため軽油が余っている。
余った軽油はそのまま輸出されているのが現状。原油を蒸留することで重油、軽油そしてガソリンができる。ガソリンだけ作り出すことはできず、必ず同時にこれらのものが生まれる。
ディーゼル車が増えればガソリン車が減るわけで、つまりは原油の輸入量を減らすことができるわけだ。まだまだディーゼル車は日本国内で価値のある内燃機関なのだ。
今、日本で買えるオススメディーゼル車は?
では、日本で買えるお勧めディーゼル車とは。まず、国産で唯一といってよいほどクリーンディーゼルを研究開発しているマツダ。お勧めはCX-5、CX-8。そして最近マイナーチェンジして1.8Lの新型ディーゼルエンジンを投入したCX-3。
どのモデルも低速域で力強く低燃費。マツダはNOX(窒素酸化物)処理に、輸入車が採用するアドブルー(尿素)を使わずにクリーンな排ガスを実現しているところが特徴。またディーゼル独特の音質も耳障りでない。
マツダ以外は輸入車。プジョーでは1.6Lのディーゼルエンジンが静かで振動も少なくお勧め。ボルボも最近XC-60にディーゼルエンジン搭載モデルを導入した。ボルボのディーゼルエンジンは力強さが特徴だ。
BMWはモジュラーエンジンと言って、ガソリンとディーゼルで可能な範囲でパーツの共有化を図っている。そのため1気筒を500㏄と決め、多気筒化することで総排気量が決定される。つまり3気筒なら1500CC、4気筒なら2000CC、6気筒なら3000CCだ。
ミニに3気筒1500CCディーゼルエンジンが搭載されるほか、4気筒2000CCディーゼルエンジンは5シリーズやX3に搭載されている。なかでもSUVのX3がお勧め。BMWのディーゼルエンジンは静かで燃費の良いことが魅力だ。
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