【アルト、ミラ、アルトワークス…】軽ハイパワー競争とはなんだったのか? 

■スズキ、スバル、ダイハツ、三菱の4強時代

アルトワークスがあまりにも高性能だったため、ライバルたちはあわててパワーアップに取り組んでいる。

最大のライバルであるダイハツのミラTR-XXは電子制御燃料噴射装置のEFIで武装した。が、最初は58psにとどまっている。

スバルはレックスにスーパーチャージャーを装着してアルトワークスに挑んだ。最初は2気筒だったが、かなわないと見るや89年には新設計の4気筒エンジンに載せ換えた。が、ライバル勢が64psレベルに到達するのは、ワークスの登場から2年後の1989年になってからある。

スバルレックス スーパーチャージャー(1988年)
スバルレックスコンビ スーパーチャージャー(1988年)

 この年、フルラインターボを掲げている三菱は、ミニカに量産エンジンとしては初の直列3気筒DOHC5バルブエンジンを開発し、搭載した。これにインタークーラーターボを装着したのがダンガンZZで、最高出力は64psだが、最大トルクは7.6kgmと、アルトワークスを上回っている。パワフルなボンネットバンのモンスターは若い走り屋を中心にフィーバーした。

■排気量がアップされ「大人の時代」へ

が、この年(1989年)、物品税が廃止され、消費税が導入されたから、4ナンバーのボンネットバンは存在価値を失ってしまう。また、アルトワークスがあまりにも高性能だったから、最高出力の上限を64psにする自主規制が敷かれるようになるのである。

1990年春には軽自動車の規格が再び改正された。排気量を660ccに引き上げ、全長も3300㎜まで延ばしている。アルトワークスやミラTR-XX後継のアバンツァート、ミニカダンガン4などは乗用車登録になり、快適性を向上させた。

また、660ccエンジンを積んだから扱いやすくなっている。

この時代になるとABSやビスカスLSDが装備され、フルタイム4WDと4気筒ターボも珍しくはない。サイドドアビームも追加されたから、安全性能も大きく向上した。

刺激はちょっと薄れたが、大人っぽい乗り味を手に入れ、ファン層を広げたのである。

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