VWゴルフは輸入車の大定番!! 日本で長年愛されてきた理由とは?


 本国のデビューから遅れること約1年半、ようやく日本でも6月15日にVWゴルフの新型が発売された。

 8代目となる新型も歴代モデルのように輸入車のベストセラーになるのか注目されるが、それにしても歴代のゴルフがこれまで輸入車の“大定番”として君臨してきた理由はどこにあるのか?

 ゴルフが日本で長い間高い人気を維持してきた要因を、モータージャーナリストの石川真禧照氏が解説する。

文/石川真禧照 
写真/フォルクスワーゲン、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】VWゴルフ8代目参上!日本の輸入車の定番的地位はいつ定着したのだろう?


■VWゴルフは45年以上も日本の輸入車の頂点

 2021年6月1日、東京・竹芝のホールで、VWゴルフのオフライン・プレス・プレゼンテーションが開催された。時節柄のオンライン発表会だったが、会場周辺でのミニ試乗会もプレス向けに開催された。

 今回のゴルフは8代目ということでゴルフVIIIと呼ばれているが、そのボディデザインは7代目ゴルフとよく似ている。もちろんフロントグリルや内装などは異なっているのだが、それはクルマ好きの人や専門家が見てのこと。一般の人には見分けがつくかは微妙。

 それはVWも承知しており(?)、「とにかく試乗してもらわないと新型のよさはわかってもらえない」販売店関係者。

6月に発売された8新型の新型ゴルフ。ひと目でゴルフだ! とわかるデザインだ。1Lと1.5Lともマイルドハイブリッドとの組み合わせで環境性能も申し分ない

 これが関係者の共通認識だった。しかし、VWゴルフといえばJAIA(日本自動車輸入組合)が資料を公開している2003年以降の「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の推移」を見ても2015年まで連続して1位を独占してきた。

 さらに調べてみると、初代ゴルフが日本に上陸した1975年(本国発表は1974年)からでも、常に販売台数では上位をキープしてきたことが判明した。

初代ゴルフの出来は世界を驚愕させた。その結果大衆車(ファミリーカー)のベンチマークとなり現在に至る。故徳大寺先生の評論もこのゴルフとの出会いが原点となって、日本車を叱咤激励し続けた

 実に45年間以上も、日本の輸入車の頂点に君臨してきたクルマということになる。

■欧州、日本とも丁度いいサイズに高い信頼性の組み合わせで、大人気になった

 なぜゴルフがここまで日本だけではなく、欧州をはじめヨーロッパなどで人気になったのか。その理由は、まずセグメントのよさにある。

 ゴルフがデビューした当時、ヨーロッパの自動車メーカーのカタログを見てみると、2ボックス+リアゲート付のクルマというのがほとんど見当たらない。わずかにルノー、フィアット、フォードにそういうモデルが存在したぐらいだった。

 しかし、世の中の若い世代は、セダンタイプでは、荷物が積めない。FR車では室内が狭い。安価なクルマは信頼性に欠ける、などの不満を持っていた。

 そこに、FF、2ボックスのゴルフが登場した。信頼性に関しても、もともとゴルフの設計と開発コンセプトは、ビートルに代わる安価で、量産、量販できるモデルということだった。

 そのために、エンジンはVW社が1964年に傘下に入れたアウディ(当時はアウディUSUアウトウニオン)のものを用い、そのほかをビートル開発の経験があるVWが受け持った。このクルマづくりの手法が、いまのVW=ゴルフにもあてはまり、信頼性にもつながっている。

ゴルフをさかのぼればビートルとなる。シンプルで安価であるコンセプトはゴルフに受け継がれた。ドイツではゴルフにバトンタッチ後も、ブラジルなどでは2003年まで生産を継続! 累計2153万台と驚異の生産台数を記録した

 初代ゴルフは、すでに量産されていたアウディとビートルの技術を生かして生産された。この手法こそ、ゴルフが信頼性において、世界のユーザーに認知された理由だ。

 つまり、ゴルフはこれまでに、多くの新技術を実用化してきたが、その技術は大半が、まず系列のクルマに搭載し、信頼性があると判断してから、本家にも使用する、という手法だ。

 VW社は、アウディグループだけでなく、チェコのスコダ、スペインのセアトなど欧州ではそれなりに人気車を生産する子会社が存在する。それらの子会社の新型を開発・生産・販売するにあたり、VWの新技術などを導入する。そこである程度熟成させたものを新型ゴルフに投入するのだ。

 当然、初期トラブルは子会社のクルマで発生するが、スコダもセアトも、小型の安価なクルマがメインなので、ユーザーも多少の不具合は許してくれるという環境が幸いしたのだ。

 こうしてゴルフは欧州でもベストセラーの地位を長年、キープしてきた。

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