ノートe-POWER、プリウス…発売当初よりも後から人気急上昇した車たち

再評価されて復活した初代シエンタ

2010年に一度生産中止になりながら不死鳥のごとく2011年に生産が再開された初代シエンタ。背景には小型ミニバン、パッソセッテの不振で存在価値が見直され、文字通り再評価されたモデルといえよう
2010年に一度生産中止になりながら不死鳥のごとく2011年に生産が再開された初代シエンタ。小型ミニバン、パッソセッテの不振で存在価値が見直された背景があり、文字通り再評価されたモデルといえよう

現行シエンタ(2代目)は、欧州テイストなエクステリアにハイブリッドモデルやスライドドアを装備し人気モデルだ。しかし、初代はなかなか興味深いヒストリーを持っている。

初代シエンタのデビューは2003年。現行モデルと同じく3列シート7人乗り。もちろん高齢者にも優しいリヤ・スライドドアだ。

さらにユニークなのが、前後で異なるプラットフォームを使っていたこと。ちょっと寄せ集めっぽいのだが、リヤのプラットフォームはカローラスパシオ用でクラス上位機種のものを採用。つまり、後席エリアの居住性を狙ったもの。

ガソリンタンクを薄型化して2列目から3列目シート下にレイアウト。さらにリヤ用プラットフォームは、ダブルウイッシュボーン式のサスペンションだったので、トーションビーム式など左右が連結したサスペンションが一般的だったこのクラスとしては、乗り心地も安定性も高かった。

そのような開発者の意図に反して時の経過とともに販売は低迷。2010年に販売終了となったのだ。

しかし、市場では小さなミニバンを惜しむ声、そして高齢化社会での利便性などが見直されていて、わずか9か月後には製造販売が再開された。

このあたりがトヨタというメーカーの気の利いたところ。一度生産終了したモデルを市場の要求に応えてリボーンさせるなど、他メーカーではなかなかできないことだ。懐が深い。

再販売後も製品改良を続け、現行モデルに至っている。現行モデルも初代と同じく前後のプラットフォームを異なる機種から取り入れドッキングさせている。

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