■ジャスティン・リン監督とジョン・シナが語る「クルマの話」
さて、そこで、この機会にリン監督に影響を受けたカーアクション映画を尋ねてみたのだが、「ない」ときっぱり。
そして「とはいえ、僕の記憶のなかに『フレンチ・コネクション』(71)がないとはいえないだろうね(笑)。
ただ、『ワイスピ』シリーズはカーレースをテーマにしているので、いわゆるカーアクションとはちょっと異なると言う考え方のもとで私は監督している。
そうはいっても毎回、カーレースだけでは面白くない。そこにいろんなジャンルの要素を加えて、新しいアクションを作っている。そういうことも許されるシリーズだから」。
ちなみに今回は、84年型ポンティアック・フィエロにジェットエンジンを搭載。それが宇宙旅行するというSFファンタジーなアイデアが投入されている。
一方、ジョン・シナには好きなカーアクション映画を尋ねてみると、こちらは身を乗り出して答えてくれた。
「やっぱり『ブリット』(68)を挙げなきゃいけないよ。あとはアストンマーチンが印象的な『007』シリーズ、『トランザム7000』(77)のトランザムもヤバかった。『ミニミニ大作戦』(69)のミニクーパーも好きだ。
でも、一番は最初の『ワイルド・スピード』(01)でドミニクが運転していた古いダッジチャージャーだよ。初めてウィリー走行したときのことも憶えているし、いまだに作品で使われている。シリーズを象徴する車として、これは忘れられない」。
車には一家言あるようなジョン・シナなので、自身のカーヒストリーを尋ねてみると「初めて自分の車を持ったのは15歳のとき。84年型のキャデラック・クープ・デヴィルが初めての愛車だった。ただ、乗り方が乱暴だったのか16歳のときにはもう廃車になっていたけどね(笑)」。
では、今の愛車は?
「1989年型のジープラングレーだよ。これは私が、WWEのプロレスラーを始めたときに初めて自分で買った車で、今でも所有しているんだ。もう現役は引退してフロリダの自宅に置いているんだが、どこに引っ越してもこの車だけは一緒だった。だから、“愛車”となるとこの車になる」
そして、自分と車の関係性については、こう語ってくれた。
「車を自分で運転するときは、その車とのコネクションを感じるのが好きなんだ。だから音楽をかけずに、車の音に耳を傾け、運転そのものを楽しむ。車が私に与えてくれる音や匂い振動、いろんなものを純粋に楽しみたいと思っているからだ。
私の場合はちょっとノスタルジックな付き合い方になるんだろうね。新しい機能等で車は選ばないし(笑)」。
なるほど、いまでもジープラングレーを大切に保存していからこその車との付き合い方。マッチョでいかついルックスからは想像できない繊細さと優しさが伝わって来る。ジョン・シナのもうひとつの顔を知ったような感じだ。
●解説●
ドミニクたちが信頼をおくアメリカ諜報組織の長、ミスター・ノーバディが拉致され、彼が運んでいた、世界を掌握出来る装置も何者かに盗まれた。その奪還に奔走するドミニクたちの前に現れたのは、かつてケンカ別れした実弟ジェイコブだった。暗い因縁のある弟が事件に深く関与していたのだ。
今回のカーアクションは最強&巨大マグネットを使った斬新なスタイルで、相変わらずのぶっ飛び方だ。
また、本作に登場する車をあげておく。まず、ドミニクと言えばダッジチャージャーだが、本作でのそれは、ダッジチャージャーをミッドシップに改造したもので、6.2リッターのV8HEMIエンジンを搭載している。
対する実弟ジェイコブの車は16年式のフォード・マスタングGT350を改良しV8スーパーチャージャーを搭載した640馬力を誇る高性能カーだ。
また、パーティシーンのために集められた車は、英国の車コレクターたちが提供した名車&超高級車たち。
TVRサガリス、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ、ロータス・エヴォーラ、日本からはレクサスLFA、限定車のフェラーリ・ラ・フェラーリ、そして3億円とも言われる限定10台のアポロIEも! このシーンに集められた車の総額は何と7億3000万円というから凄まじい。
カーアクションを堪能しつつ、数々の高級車を愛でることが出来るのも、本シリーズだからこそのお楽しみだ。
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『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』
8月6日(金)全国超拡大公開!!
配給:東宝東和
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