東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、東京都内では全国から警察官が集合しています。そんな時だからこそ改めて知っておきたい、「便利だけど車内に置いておくと逮捕されるかもしれない工具や刃物」をご紹介します。
キャンプに行ったらナイフを使うし、何かを組み立てるときにマイナスドライバーがないと困ることもあるでしょう。では常備しておいても大丈夫なものはなにで、危ないのはなにか、お知らせします。
文/高根英幸
写真/Adobe Stock
【画像ギャラリー】車内に置きっぱなしにしがちなアイテムを確認しよう!!
■五輪開催中の東京 警備は厳戒態勢
東京オリンピックが盛り上がっている。開催前は中止か無観客かで揉めた世論も、いざ競技が始まれば日本チーム、日本選手をTVやネットで観戦して応援しているようだ。国民の代表である選手たちが懸命に競技に打ち込む姿を魅せられて、心が踊らない者などいないだろう。
オリンピック開催期間中は、臨海地区を中心とした東京の道路では交通規制が目立つ。首都高速はこの期間のみ乗用車の料金を1000円値上げして一般のクルマには使わせないようにして渋滞の発生を抑え込んでいるし、オリンピック道路なる選手の移動に用いる専用レーンも設定された。
そのため全国から交通整理や防犯のために警察官が集められている。オリンピックの各競技をスムーズに運営するために国家の威信をかけて警備を行なっているのだ。
それだけに不審なクルマや人物は、見つかった途端にマークされることになる。もし職務質問を受けたり、検問に遭った際に、携帯が禁止されているモノが車内に積まれていると、一気に立場が危うくなる。銃刀法で規制されている刃渡り6cm以上のナイフなどはもちろん、スタンガンや催涙スプレーなど防犯アイテムとしても販売されているが犯罪にも使えそうなモノを積んでいれば、任意同行の理由としては十分だろう。
■銃刀法以外にも危険物の所持を禁止する法律がある
銃刀法以外にも危険なクルマに積んだり持ち歩くことを禁じている法律に軽犯罪法の第1条2号がある。これは「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留又は科料に処する」というもので、これには刃渡り6cm以下のナイフも含まれ、ハサミやカッターナイフも対象となる。
どうしてこのような法律があるかといえば、それ自体の所持を禁止するというより、犯罪を未然に防ぐために危ない人物を抑制するために存在する。意図的に隠して積まれていたようであれば、この法律を適用し、さらに詳しく取り調べすることができるようになっているのだ。
誰のクルマにも小さなハサミやカッターナイフを積んでいる可能性はある。それをいちいち取り締まっていたら、警察の機能がマヒしてしまう。あくまで怪しい人物を取り締まり、深く調べるためにこうした法律を用意しているのだ。
また通称ピッキング法と呼ばれる、開錠するための特殊工具を所持することを禁止する法律もある。錠前師ならともかく、一般人がバールや大きなマイナスドライバーなどのこじ開けるために使う道具やドリルを持ち歩くのは不自然だ。つまり、これも犯罪の準備段階で取り締まれるように制定されたものだ。
これらは杓子定規に判断されて、問答無用で逮捕されるということはほぼない。所持に合理的な理由があれば検挙されることはないハズだ。そうでなければ、包丁は通販でしか購入できなくなってしまう。買い物に行った時には、レシートは捨てずに取っておく習慣をつければ、取り締まりにあっても困ることはないだろう。
車内にキャンプ用品は見当たらないのに、サバイバルナイフだけは何本もあったり、キャンプ用品とは関係のないスタンガンやバールなどの指定侵入工具を所持していれば、強盗などを計画していると疑われても仕方ない。
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