熱中症を防ぐ車内の温度は25℃前後
個人差はあるものの、熱中症のリスクを下げるためにはエアコンの設定温度は25℃前後に調整することが理想だ。ただし、暑がりで汗をかきやすい人は発汗量を抑えられる程度の温度を保ってほしい。ダラダラと汗をかきながらの運転は危険だ。
注意したいのは後部座席。後ろから照射される太陽光のせいで温度が高めになる傾向になるからだ。特に、後部座席にエアコンの吹き出し口が付いてないクルマの場合は、設定温度を28℃にしてもそれ以上の温度になることが多い。
そのため、子どもを後部座席に乗せる時には、設定温度を少し低めにすることも必要だ。なかでも、汗腺が未発達で発汗機能が低い乳幼児は熱中症になりやすいため、後部座席に設置したチャイルドシートに乳幼児を乗せているような場合は、定期的に温度チェックはしておきたい。
ただし、冷やしすぎも熱中症のリスクを高めてしまう。24℃以下では皮膚の表面の血管が収縮して体内の熱を逃しにくくなってしまう。
ちなみに、外で大量の汗をかいてきたという場合も、エアコンで涼めば安心というわけではない。体内はカラカラの状態で、血液もドロドロになっている可能性大! すみやかに水分を摂取しよう。
水のがぶ飲みでは熱中症は防げない
熱中症対策の最善策は水分をとること。ただし、よほどの脱水状態でなければ水分を一気にとらないほうがよい。お薦めの飲み方は、1回の150ml程度に。500mlのペットボトルなら1時間くらいかけて少しずつ飲む。人間の体は一度に大量の水分をとっても吸収しきれないからだ。少しずつ飲んで体がしっかり水分を体が吸収できればトイレが近くなる心配も減らせる。
また、個人差や環境によって差はあるものの、人間が1時間にとる水分の適正量は400~800mlと言われている。それ以上飲んでも体内には吸収されず、むくみが出たりすることもある。
カフェインは利尿作用が強く、飲みすぎは脱水を招く危険がある。トイレも近くなってしまうため、ノンカフェインのドリンクをメインに飲み、コーヒーや緑茶、紅茶など、カフェインの多い飲み物は控えたいところだ。
それでも熱中症になってしまったら?
熱中症の初期症状は、吐き気、めまい、倦怠感、頭痛、集中力の低下など。いずれの症状も運転に支障を与えるため、軽度であってもいったん運転を中止しよう。そして、冷えたペットボトル、氷、保冷剤などで、首の前側の両脇、わきの下、脚の付け根の前面(鼠径部)など、太い血管が通る部位を冷やそう。
また、乳幼児の場合は体に触っていつもより熱い、大量の汗をかいている、嘔吐をする、お腹の皮膚をつまんで離してもシワが残るなどの状態がみられたら、すぐに水分をとらせ、医療機関に相談を。
水分は真水ではなく塩分などミネラルを含むスポーツドリンクや、経口補水液が理想。一気にではなく、少しずつ飲むことがポイントとなる。特に、子どもを連れてドライブといった時には、スポーツドリンクと経口補水液を用意しておくと安心だ。
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